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ノート(211) 「悲しい酒」「無縁坂」や「さそり座の女」も 獄中のカラオケ大会

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~続・工場編(4)

受刑227/384日目(続)

保護観察官との面接

 この日は陸山会事件の証人尋問に向けた指定弁護士との打ち合わせのほか、面接室で保護観察官との2回めの面接もあった。担当は前回と同じく大阪保護観察所の首席保護観察官だったが、4ヶ月ぶりの再会であり、劇的に痩せている僕の姿を見てかなり驚いていた。

 保護観察官からは、出所後の仕事のことや家族との生活、友人や支援者らによる支えの状況、マスコミとの関係などについて詳しく尋ねられたことから、一つ一つ率直に答えた。保護観察官は、僕がインターネットや出版などを通じて様々な情報を社会に発信できる立場にあるので、そうした活動にも大いに期待しているとのことだった。

 3日前の12月6日には家族とも会ってきたという。仮釈放がどうなるのかまだ分からないものの、とにかく健康に気をつけてがんばってくださいと激励され、面接を終えた。1ヶ月後にようやく刑期の3分の2を経過するタイミングであり、やはり保護観察所の動きがかなり早いように感じられた。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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