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Googleの売上は日本の風俗産業と同規模になるのか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

Googleの2013年度の第3四半期の売上が発表となった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131018-00000354-yom-sci

前年対比(2012年)111.9%で148億9300万ドル。日本円100円換算で約1兆4893億円

利益は、前年対比(2012年)136%で、29億7000万ドル 約2970億円。(1株当たり8.75ドル)

利益率は19% 

http://investor.google.com/pdf/2013Q3_google_earnings_slides.pdf

しかし、最高益とか言われても、ドル表示の金額はピンとこないし、日本円にしたとしても何千億円といわれても、生活感がまったくわかない…。

そこで、Googleの売上規模を把握するために、日本の市場規模と、そのまま比較してみると売上の規模感がわかりやすくなる。

まず、3ヶ月の今期の売上だ。Googleの3ヶ月売上、約1兆4893億円は、

日本のホテル産業 1兆4800億円(2011年)とほぼおなじ規模だ。

もう少し金額が上がると、

日本の年間テレビ広告費 1兆7757億円(2012年)にも手が届く。

全ホテルとの売上もすごいけれども、日本の年間のテレビ広告費用にGoogleが1年の1/4で達してしまうという可能性があるのもすごいと感じる。これがワールドワイドな企業の醍醐味だ。

ちなみにGoogleの売上の55%はUS以外の海外。US国内は45%というシェアだ。

あくまでも、Googleは、3ヶ月だから年間と比較するだけでなく、Googleがこのまま成長するとして、少し乱暴だが、4倍の年間売上として日本市場と比較してみたい。

1兆5000億円×全4四半期= 6兆円 の市場規模と考えることができる。

すると、日本の産業における規模がみえてくる。

5兆3494億円 東京電力 (2011年)

5兆6,884億円 日本の風俗産業

5兆8030億円 日本のドラックストア市場規模(2011年)

5兆8913億円 日本の広告産業 市場規模(2012年)

6兆円     Googleの市場規模 (2014年予測)

6兆1525億円 日本の百貨店 市場規模(2011年)

6兆0490億円 日本の旅行取り扱い高

6兆1525億円 日本の百貨店 市場 2011年

どうだろう? Googleの実態が見えてこないだろうか? 

日本のすべての風俗産業やドラックストアと同規模というのは異質な取り合わせながらGoogle規模の大きさを物語る。

また、日本の全広告産業と比較して考えると、Googleがいかに広告産業の中でシェアを獲得しているのかもわかる。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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