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『ASI実現』のために生まれてきた孫正義〜これからの10年が人類20万年の歴史を変えると断言!〜

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:ソフトバンクG

KNNポール神田です。

2024年6月20日に開催されたソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)の株主総会での孫正義議長のスピーチはとてもユニークかつ、記録にとどめておきたくなるスピーチであった。

2024年 第44回定時株主総会の記録であるが、37分09秒以降からご覧いただきたい。


https://youtu.be/jqtx8WAbDNk?si=luCGBT6H6hctbUMk

今後10年以内に起こり得るであろう、『人類の叡智の1万倍(孫正義)』の『ASI(Artificial Super Intelligence)』の到来を見据えた決意表明であった。『ASI』とは、『AGI(Artificial General Intelligence)の次の次元のAIのことである。


■昨年2023年6月11日よりはじまったASI構想の答えが解けた!

出典:ソフトバンクG
出典:ソフトバンクG

今回、発表された『ASI構想』は、昨年の2023年6月11日から取り組まれ、24時間365日、ソフトバンクグループ社長室は3交代制で、孫正義のアイデアを5分以内にタスク化して取り組んでいる。
孫正義は、25時30分頃に寝て、3時間後には右脳が覚醒して起きてしまいずっと『ASI』時代の事業を考えているという。

出典:ソフトバンクG
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今までの歴史は、各分野の天才たちが刺激しあって20万年の人類の進化をとげてきた。人類は、道具を使ったことにより、進化をとげてきた。

出典:ソフトバンクG
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そして、これから3年以内に『AGI』が到来(2027年)し、『AGI』同士が刺激しあって、『ASI』を生み出す。その時期は10年以内。つまりASIは、2034年までに到来すると断言した。


■『ASI×ロボット』が生み出す『ロボサピエンス』

そしてその鍵は、『ASI×ロボット』だという。

出典:ソフトバンクG
出典:ソフトバンクG

ASIの頭脳に、ロボットの身体機能をかけ合わせることにより、新たな進化が生まれる。まさに、それは『ロボ・サピエンス』の誕生といえるだろう。

今回披露されたビデオには、『ボストン・ダイナミクス(BostonDynamics)』の引退した国防総省DARPAとの共同開発『アトラス』以降の『001』が紹介された。『001』は、特殊な関節形状を持ち、ヒト型ロボットでありながらも、ヒトとはまったく違った動きが可能だ。カラダの前後も自由に回転できるのでヒトのサイズでありながら、ヒトがはいりこめないような場所での活動も可能となることだろう。

ソフトバンクGは、『ボストンダイナミクス』の株は一時期8割保有していた(現代自動車グループ保有)が、現金化のため放出したが、現在でも2割保有している。
ASIの頭脳を提供することにより、自分で判断できるロボットが稼働する未来は予測しやすくなってきた。

AI×自動運転 として、『Wayve』の動画も紹介された。『Wayve』は今までの高度なセンサーやLiDARなどの技術に依存することなく、安いカメラの映像でも『AI』が処理能力で自動運転を実用化するというもの。


ソフトバンクGの主なロボット投資先

Wayve
テレイグジスタンス
KEENON ROBOTICS

Brain Corporation
iRobot
Alat
Bear Robotics
Autostore

Fetch Robotics
Nuro

Zume Pizza
XAG
バークシャーグレイ

このように、ソフトバンクGの投資先にはAIやロボットを絡めたものが多く、すでに1,000件にもおよぶAIに関する特許も申請されており、未来の『ASI』事業へのパートナーおよび、シナジー企業と権利およびロイヤルティの収益を見込んでいるものと考えられる。


そして、何よりも最大の貢献は『arm』

出典:ソフトバンクG
出典:ソフトバンクG


armはありとあらゆる企業へチップ設計図のライセンスを提供している。売上総利益は95%を超える。営業利益は45% 人件費がほとんどの設計メーカーだ。

出典:ソフトバンクG
出典:ソフトバンクG


『arm』の強みはなんといってもGAFAMを支えているといっても過言ではないほどのライセンスの多さだ。しかもサーバセンターのクラウドから端末側のエッヂにまで裾野が広い。
今回、普段語られることのなかった、『nVIDEIA』との合併秘話も公開された。

孫正義のカリフォルニアのアサートンの別荘にCEOのジェンスンファンを招き、ソフトバンクGが100%買収すると、当時5%の株の所有のジェンスンに10%にして共に成長しようと4時間かけて口説いていたという話も暴露された。

その後、armをnVIDEAに売却し、株との交換で筆頭株主というプランで実行されたが、当局の許可が降りなかった。『逃がした魚は大きかった』と冗談を交えて話すが、この秘話が、このような総会で聞けるのはすごい瞬間だ。

また、『ChatGPT』の『OPEN AI』にも『Microsoft』の1兆円投資の前にソフトバンクGが名乗りを上げていたという話も登場。十分考慮した上で、Microsoftとの条件を選んだサム・アルトマンも称えた。


ヤフージャパン設立時もゴルフ場で出資を延々と口説いた。アリババのジャック・マーには『(金は)じゃまにならないはず』といって出資。アップルのスティーブ・ジョブズには独占販売権を承諾させるなど、愛嬌と強引さと夢を語りいろんなディールを成功させてきた。
しかし、何よりも今回は今までのディールのすべてよりも、重大なことだと語る。

何よりも、『ASIを実現するために生まれてきた』と断言する自身と今後の10年に賭ける意気込みは、常人には考えられない『強い志し』だと感じた。

株主総会での数億円上がった下がったのハナシはどうでもよい!というほどの割り切りと創業社長ならではの想いが語られた。

むしろ、ソフトバンクG、いや、孫正義の全集中の時代のはじまりを期待させてくれるような株主総会であったことはまちがいない。

10年後(2034年)にこの株主総会を見返してみた時に答え合わせになっていることを祈る。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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