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#マイナンバー 使用で #パスポート更新費用 がたったの400円しか安くならない理由はなぜ?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
(写真:吉原秀樹/アフロ)

KNNポール神田です。

□政府は(2024年6月)21日の閣議で、新規の旅券(パスポート)でも来年(2025年)3月から全都道府県でマイナンバーカードを使ったオンライン申請の受け付けを始めることに伴い、手数料を変更するための旅券法施行令の一部改正を決定した。
□行政手続きウェブサイト「マイナポータル」の利用で100円安くなる一方、従来の書面での申請の場合は300円の値上げとなる。
https://www.asahi.com/articles/ASS6P2DNPS6PUTFK019M.html


■2024年現在、有効期限1年を切った『パスポート』は『マイナンバー』による電子申請が可能 しかもクレカ払いも!


2024年令和6年、現在のパスポートは電子申請が可能となっている。
(※2023年、令和5年3月27日より電子申請が可能)
(※2023年、令和5年6月19日よりクレジットカード支払いも対応)

■電子申請の申請条件は、

1.パスポートの有効期間が1年未満、または、
2.査証欄の余白が見開き3ページ以下で、
3.記載事項に変更がない場合である。

パスポートの有効期間が1年を切ると、電子申請が可能となるのだ。

パスポート取得の方法 パスポートのオンライン申請は
マイナポータルへログイン」→

「マイナポータルトップページ・メニュー」→

「パスポート取得・更新」を選択。
https://myna.go.jp/

≪パスポート通常の現在の手数料≫

10年旅券16,000円(収入印紙14,000円 東京都手数料2,000円)

5年旅券11,000円(収入印紙9,000円 東京都手数料2,000円)

5年旅券(12歳未満)6,000円(収入印紙4,000円 東京都手数料2,000円)


≪パスポート5年以内に未交付失効があった場合の現在の手数料≫

10年旅券22,000円(収入印紙18,000円 東京都手数料4,000円)

5年旅券17,000円(収入印紙13,000円 東京都手数料4,000円)

5年旅券(12歳未満)12,000円(収入印紙8,000円 東京都手数料4,000円)

※料金は東京都の場合


しかし、来年、2025年令和7年3月24日の申請分からは、
10年旅券16,000円(収入印紙14,000円 東京都手数料2,000円)


マイナンバーあり 15,900円
マイナンバーなし 16,300円 (※書面申請が必要)

となり、400円の価格差が生まれることとなった。

つまり、マイナンバーカードを持っている人は、
有効期限が2025年3月24日以降の人は、電子申請をマイナンバーカードでおこなったほうが400円お得になるのだ。外務省は、業務にかかる人件費や経費がおさえられるという。
いや、マイナンバーカードを使えばもっとお安くすべきだっただろう。

マインバーカードがあることで、申請での有人対応を自治体は、券面を渡す時だけですむはずなので、手数料の半額くらいまでは、さげられたはずだ。


■パスポートの取得費用の大半は『邦人保護費用』だった…


さらに、2025年平成7年の3月24日以降の申請分からのパスポートは、盗難や偽造対策を強化したパスポートの交付となる予定であるのだ。
なので、できるだけ強化されたパスポートを交付したいものだ。

しかし、運転免許の更新費用が3,000円(2500円+講習500円)で済むのに対して、なぜ?パスポートの更新費用は1万6,000円もかかるのだろうか? 4人家族で10年更新すると、最大6万4,000円もコスト高になる。

そのコストの内訳の最大要因は『邦人保護費』だった。

□2016年11月12日にパスポート発行業務について行革推進本部で外務省の行政事業レビューの検証が行われた際に、外務省は10年有効パスポートの手数料1万6000円のうち、自治体の手数料2000円を引いた1万4000円の内訳は、4000円が冊子作成やシステム開発費などの直接行政経費で、残りの1万円は在外公館での邦人保護活動などの間接行政経費と説明し、この1万円は1年当たり1000円として計算されたものであるとした。
https://toyokeizai.net/articles/-/302324

『邦人保護費』をパスポート発行枚数×年間1,000円として積み立ているのであれば、コロナ禍で約3年間、民間人が往来できなかった分は完全に剰余金として残っているはずだ。さらに2016年の検証時でこのコストの高さはエストニアなどの事例によってマイナンバーカードで安くなることが検討課題とされていたが、10年分の更新で400円しか、結果として安くなっていないのは、大問題ではないだろうか?

そして、この8年前の話はいつどこで消えてしまったのだろうか?
マイナンバーカードを普及させ活用させたいのであればこそ、このようなパスポートの更新コストを劇的に格安にできてこその効果といえるのではないだろうか?

□公認会計士や大学教員を中心とした有識者(評価者)からは、邦人援護費用をパスポート取得者のみに支払わせる受益者負担の妥当性への疑問や、コスト削減の取り組み不足などの意見が出され、政府に対し、どんな費用がかかっているのか国民に情報を公開するよう求めるとともに、マイナンバー制度を活用した手続きの効率化を検討し、コスト削減に努力するよう要請した。

https://toyokeizai.net/articles/-/302324?page=2

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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