大阪発アイドルの最終兵器・清井咲希(たこやきレインボー)。「和顔愛語」の精神でかわいく楽しく上品に
ももいろクローバーZの後輩で大阪を拠点に活動するアイドルグループ・たこやきレインボー。そのセンターに立つ清井咲希はヴィジュアルを含めたポテンシャルの高さで、“なにわの最終兵器”と目されている。品の良さを漂わせながらお笑いにも挑み、正統派のパフォーマンスも目を引く21歳。昨年行った2本の配信ライブを収録したスペシャルBOXが発売されるが、全国でもさらにファンを増やしていきそうだ。
楽しく騒ぐだけでなく、おしとやかにもなれたら
清井咲希は大阪出身だが旅行で来ていた原宿でスカウトされ、2012年に結成されたばかりのたこやきレインボーに加入した。「全然前に出るタイプでなかった」というが、2014年からセンターのポジションに就いている。
――今年の目標を立てたりはしました?
清井 大人っぽく女性らしくなりたい、というのはあります。去年も「20歳になったので大人らしく頑張ります」と言ってたんですけど、結局ワチャワチャしちゃって(笑)。お母さんにも「もっとお上品にしなさい」と言われるので、みんなで楽しく騒ぐときもあれば、おしとやかにもできたらいいなと思います。
――たこやきレインボーのYouTubeチャンネルの書きぞめでは「前髪のばす」と書いてました。
清井 のばしたいんですけど、実際のびたらジャマで切っちゃうんですよね(笑)。でも、挑戦してみたいです。似合うかどうかわかりませんけど、違う自分を見てみたいです。
――去年はコロナ禍の自粛期間もあって、考えたことはありました?
清井 人とあまり会えない分、おばあちゃんとか今まであまりお話してなかったお友だちにもめっちゃ電話したり、コミュニケーションはすごく取りました。みんなが健康に過ごせることを一番に祈っています。
――そんな中で、たこやきレインボーが行った2本の無観客配信ライブを収録したBlu-ray『LIVE in the HOUSE ‘20』が発売されます。CMJKさんをDJに迎えた『CLUB RAINBOW ‘20』と、ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんが総合演出を手掛けた『真夏のホームパーティー・ザ・ワールド』。満足感は高いライブでしたか?
清井 みんなで一生懸命練習して作り上げて、やり切った感はありました。二つのコンセプトが全然違っていて、『CLUB RAINBOW ‘20』はクラブっぽく、ちょっと大人な余裕のある形でやりましたけど、『真夏のホームパーティー』はとにかくたこやきレインボーのかわいい姿をお見せしようと。メンバーの新しい部分も発見できて、楽しかったです。
――『真夏のホームパーティー』にはシットコム(シチュエーション・コメディ)も入りました。笑わせるのって難しいですよね?
清井 (放送作家の)オークラさんが私たちといろいろ話して台本を書いてくださったので、個性が生きたキャラクターになって演じやすかったです。私はめちゃくちゃボケたりはなかったんですけど、(堀)くるみがツッコミをやってくれたり、(彩木)咲良がボケたりして、間の取り方は難しそうでした。咲良がボケて全員でツッコむところは、みんなで一緒に言わないとダメなので、私も間を気にしました。
関西弁で話そうと意識してやりすぎました(笑)
――咲希さんは大阪出身で、お笑いは好きなんですか?
清井 最近また、めっちゃ好きになりました。小さいときにお父さんとテレビでお笑いの番組をよく観ていたんですけど、おうち時間が増えたらYouTubeとかでも観るようになって。
――好きな芸人さんもいたり?
清井 かまいたちさんが面白いなと思って、めっちゃ観てます。あと、NON STYLEさんや霜降り明星さんや和牛さんも好きです。
――他にも、自分の中で大阪人っぽいと思うところはありますか?
清井 たこやきレインボーに入ってから関西のグループらしく、関西弁をしゃべるようにしています。東京とかで敬語でしゃべると、どうしても標準語に近くなってしまうので、関西弁をより意識していたら、最近ちょっとやりすぎたみたいで(笑)。地元の友だちと話していても「めちゃめちゃ関西弁やな」と言われます。
――関西人でもそこまでコテコテではない、みたいな?
清井 そうなんです。大阪ではみんな関西弁ですけど、関東の方がイメージするほどガッツリしゃべる方は少ないと思うんです。でも、私はイメージのまんまの関西弁でしゃべっていて、かえってヘンになっちゃうところもあるので、気をつけなきゃなと(笑)。
――ボケやツッコミに敏感だったりも?
清井 確かにツッコミたくはなりますね。しゃべっていて「オチはないんかい!」みたいな(笑)。たこやきレインボーに入ってからお笑いの感覚は育てられたみたいで、地元の友だちと遊んでも、めっちゃツッコむようになりました。
――アイドルグループに入って、お笑いにも強くなりましたか(笑)。
清井 そこはたこやきレインボーやからだと思います(笑)。
のんびりしていてメンバーよりワンテンポ遅れます
――関西発のアイドルグループとして、「東京のアイドルに負けない」という気持ちもありますか?
清井 メンバーと共同生活をして『たこ虹の家にいるTV』を配信していて、「フリートークがめっちゃ面白い」と言ってもらえるんです。自分たちで言うのもアレですけど、関西人としてお笑いでは負けてないかなと思います(笑)。パフォーマンスでも他のグループよりメンバーの表情がコロコロ変わるのは、たこやきレインボーの良さかなと。
――『なにわのはにわ』や『尼崎テクノ』のような曲は、自分でも好きですか?
清井 関西弁で違和感なく歌えます。そういうコテコテな曲もあれば、『卒業ラブテイスティ』や『桜色ストライプ』のようなかわいい曲も歌うし、曲の世界観はすごく幅広いなと思います。
――大阪の好きなところというと?
清井 全部が大好きです! 東京に憧れはありますけど、しばらくいると「帰りたいな」と思います。大阪やったら、おいしいものがいっぱいあるし、人も温かいし、慣れてるからやけど関西弁を聞くとホッとするし。
――大阪の食べ物の中でも、どんなものが好きなんですか?
清井 粉ものは全部好きです! たこ焼き、お好み焼き、焼きそば……。私は料理もするので、パーティーとかでなくても、1人でお好み焼きやたこ焼きを作ったりもよくします。
――咲希さんは雰囲気的には、はんなりした京都っぽい感じがします。
清井 京都が好きなので、そのせいかもしれません。和な感じで街並みもきれいだから、友だちとよく観光に行ってました。あの雰囲気の中を歩くだけで落ち着きますし、私、抹茶も大好きなんです。京都の抹茶のデザートや抹茶を練り込んだおそばを食べたりもします。
――キャラクター的にも京都に寄っていません?
清井 他のメンバーより落ち着いてるというか、ワンテンポ遅くなるところはあります。「話し方がのんびりしている」というのは地元の友だちにも言われるので、そうなのかなと思います。
母を見て「こんな女性になりたい」と思います
――メンバーの彩木咲良さんが咲希さんについて「割れないガラスのビンの中で大切に育てられたようなきれいさがある」と言っていたことがありました。実際、大切に育てられてきたんですか?
清井 私はお父さんとお母さんが大好きで、そう思えているということは、愛情を注がれて育てられたんだろうなと思います。
――しつけ的に言われていたこともありました?
清井 お母さんがそういうところはしっかりしていて、言葉づかいはよく注意されました。私が「バカ」と言ったりすると、「そういう言い方はダメ」とか。私、「お洋服」とか「お箸」とか「お」を付けることが多いみたいで、メンバーや友だちの前でポロッと出て「何それ?」と笑われるんですけど(笑)、それもたぶんお母さんから来ています。自分ではいいことだと思うので、「お母さん、ありがとう」という感じです。
――咲希さんから漂う品の良さは、お母さんの影響が大きいんですかね?
清井 100%お母さんです。今もお母さんと一緒にいたら「自分あかんわ」と感じます。実家に戻って、お母さん会うと「こういうふうになりたいな」と思います。
――咲希さんはもともと控えめなタイプだったんですよね?
清井 そうやと思います。地元ではあまりしゃべらへんかったりして、お友だちに「ほんまにおっとりしてるよな」と言われてました。芸能界に入って、しゃべるようになって、地元に帰ると「変わった」とめっちゃ言われます。
――たこやきレインボーに入ってから変わったと。
清井 みんながすごくしゃべるし、しっかり自分を持っているので、「このままじゃあかんな」と。メンバーの中にいたら自分が埋もれてしまう。そう思って変わろうとした自覚はあります。それで、ちょっとずつ変わっていったんでしょうね。「前とどっちがいいんやろう?」とも考えて、女性らしいお母さんが私の憧れでもあるので、そっちにちょっとずつ戻りたいというのは正直あります。
K-POPのダンスをマネしていたのが役立ちました
――咲希さんはスカウトされてたこやきレインボーに入ったわけですが、アイドルに興味はあったんですか?
清井 お母さんから聞くのは、小さいときにモーニング娘。さんだったか、アニメの『プリキュア』だったか、テレビでキラキラした衣装を見て「このお洋服を着たい」と指差して言っていたみたいです。だから、アイドルにすごく興味があったわけではないですけど、テレビの世界に入りたいとは思っていたようです。
――事務所の先輩のももいろクローバーZをリスペクトしているんですよね?
清井 今でもももクロちゃんに会うと、初めてかと思うくらい緊張でドキドキするんです。これは何なんですかね? 本当に大好きなんです。ライブしているところも好きですけど、舞台裏でもあのままで変わらなくて、すごくやさしくて。それも好きな理由のひとつです。
――他にエンタメ関係で影響を受けたものはありますか?
清井 モーニング娘。さんは小さい頃から聴いてました。それからK-POPもどんどん好きになって、たこ虹に入る前に少女時代さんにすごくハマりました。K-POPの女性アーティストさんって、めちゃめちゃ踊るじゃないですか。それをマネしていたんです。小学生の頃、夜に家の窓に映る自分を鏡替わりに見て、お姉ちゃんがDVDをかけて、一緒にずっと踊っていました。
――K-POPの振りコピは難しくなかったですか?
清井 動画を反転して、速度をゆっくりするとかわからなかったので、めちゃくちゃ夜中まで観て覚えました。それでダンスはちょっとうまくなったと思います。たこ虹に新メンバーとして入って、ダンスでみんなと差を広げられずに、追い付けましたから。
穏やかな表情でやさしい話し方をできるように
――ファッションでは今もパリジェンヌが憧れですか?
清井 前よりはちょっと薄れてきました。でも、オシャレは全然好きです。時間があるとファッション雑誌を見てますけど、今はSNSでいろいろな方が投稿されているので、そういうのも見てコーディネイトを研究するのが大好きです。
――去年の誕生日の配信ではお母さんの手紙が読まれて、子どもの頃の咲希さんがお母さんのファッション誌をチェックしては「これ欲しい」と言っていたエピソードが紹介されました。
清井 メイクやファッションに興味を持ったのは早かったです。幼稚園に行く前に、お母さんに髪をかわいくしてもらってピンクの髪飾りを付けたり、靴下もフリルが付いたものを履いたりしてました。
――今はどんなファッションが好みですか?
清井 前はデザイン性があって派手めなものが好きだったんですけど、今は女性らしいきれいめのワンピースやフレアスカートやブラウスとか、そういうものに戻ってきました。
――座右の銘はありますか?
清井 昔、座右の銘に決めたのが“和顔愛語”です。そういう四字熟語があって、“穏やかな表情でやさしい話し方”みたいな意味なんですけど、たこ虹に入る前から素敵な言葉やなと思ってました。
――咲希さんにピッタリじゃないですか。
清井 ありがとうございます。もっとそういうふうに近づきたいです。
――ももクロリスペクトの話も出ましたが、後輩の超ときめき宣伝部の菅田愛貴さんは咲希さんを慕っているようですね。
清井 ファンの人から聞きましたけど、そんなそんな。愛貴ちゃんって、すべてがかわいいじゃないですか。顔も雰囲気も声も話し方も全部かわいい。そんな愛貴ちゃんに名前を出してもらえるなんて。私も愛貴ちゃんが大好きです。
――咲希さんも他のアイドルに憧れられる存在になってきているんでしょうね。
清井 なれているかわかりませんけど、そうなりたいとは思っています。
『スカッとジャパン』で標準語に苦戦しました
清井咲希は個人で女優活動もしている。2016年に1話完結の連続ドラマ『大阪環状線 ひと駅ごとの愛物語』の第7話に主演。翌年の第2シリーズでは全話通じて登場するキャラクターとなり、最終話では再び主演。2019年には初舞台『はい!丸尾不動産です。~本日、家に化けて出ます~』でヒロイン。昨年は『痛快TV スカッとジャパン』のショートドラマに出演して話題になった。
――去年の秋に『スカッとジャパン』のショートドラマ『男子生徒をひいきする顧問』に、バドミントン部の部長役で出演しました。反響は感じました?
清井 ありました。虹家族さん(たこやきレインボーファン)からも、頻繁に連絡を取ってない友だちからも、いっぱい「観たよ」と言ってもらえて。やっぱり地上波はたくさんの方が観てくれているんだ、影響力があるんだと改めて実感しました。
――自分でも観ていた番組だったんですか?
清井 観てました。たぶんメンバーもみんな観てます。たこ虹ハウス(寮)でも観ていたので。私が出た回は(春名)真依と一緒に観て、めっちゃ恥ずかしかったです。
――出演の話が来たときは感激だったでしょうね。
清井 めっちゃうれしかったです。演技のお仕事は本当にやりたいことなので、真っ先に家族に電話しました。「頑張るね」って。
――先生に邪険にされた女子部員たちを引っ張る部長っぽさが出てました。
清井 出てました? 一番苦労したのは標準語です。ナレーションもあったので、関東にいるお友だちに「どういうイントネーションなん?」って全部教えてもらって練習しました。その子の声を録音してずっと聴きながら、「これやね」と自分に言い聞かせて挑みました。
――そこは今後も課題になりますかね?
清井 そうですよね。関西出身の女優さんが普通に標準語を話されているのは、すごいなと思いました。私は関西に21年間いるので、頑張らないと。
――バドミントンとかラケット系は得意なんですよね?
清井 スポーツの中でもラケット系は好きでした。でも、最後にジャンプしてスマッシュを決めるシーンは監督さんやカメラマンさんがこだわって、アニメみたいにシューッとさせたいということで、めっちゃ撮り直したんです。「絶対ここに飛ばしてください」と言われて、なかなかできなくて大変でしたけど、カッコ良く撮っていただきました。
――自分でドラマや映画も観てますか?
清井 観ます。『逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)』は話がしっかり作られている感じがして、日常を撮っているみたいで面白かったです。すごく温かくて、ほんわかした気持ちになって、ああいう作品に出たいなと思いました。
料理のお仕事が楽しくて、もっとやれたらと
――今の咲希さんの自信があるところ、強みだと思うところというと何でしょう?
清井 何やろう? 自分で「ここがいい」というのは、おこがましくてないんですけど、本当は作ったほうがいいですよね。よく言ってもらうのは「声がいい」みたいな。あと、メンバーからは「顔がいい」と言われます(笑)。
――それはメンバーさんでなくても、誰でも思っているかと(笑)。
清井 自分ではそう思わなくて、「あっ、そうなん?」みたいな感じですけど、信頼している人たちが言ってくれるなら「じゃあ、頑張ろう」となります。
――cookpadLiveで『うまさ二重マル!たこ虹カフェ』という料理番組の配信も始まりました。
清井 生配信で出演するのが私とメンバーの誰か1人で、いつもはくるみがMCを回してくれますけど、この番組は私がメインだから、どう回すのかすごく不安でした。でも、1回目から楽しすぎて「早く次やりたい!」という感じになりました。お料理は上手なわけではないですけど、すごく好きなんです。いつもは1人で作って自分で食べたり、メンバーに食べてもらっているのが、配信やと多くの方に観ていただいて、おいしそうとか思ってもらえるので、作り甲斐があるんですよね。
――それが仕事になるのは最高ですね。
清井 考えたこともなかったです。しかも、cookpadって誰もが知ってるし、私もお料理に目覚めた小学生時代から、めちゃくちゃ使っているので。その生配信に自分が出ているのは不思議な感じもします。
――料理は最初どういうふうに始めたんですか?
清井 お姉ちゃんがお料理が上手で、「一緒に作ろう」と言ってくれたのがきっかけでした。そのときもお姉ちゃんがcookpadを見て作っていたので、今回のお仕事が決まって、すぐ連絡しました。「すごいやん。おめでとう」と言ってくれましたけど、『家にいるTV』を観て「もっときれいに盛り付けや」とか、ダメ出しもされます(笑)。
――小学生時代はどんな料理から作りました?
清井 ほとんどお姉ちゃんに任せっきりでしたけど、肉じゃがとかハンバーグとか王道でしたね。バレンタインのお菓子は今もお姉ちゃんと作っていて、メンバーに好評です。
――最近の咲希さんが作った傑作は?
清井 豆腐ハンバーグがめっちゃフワフワに出来上がりました。ヘルシーだし満腹にもなります。お料理のお仕事ももっとやれたらと思います。
――長い目で目指していることはありますか?
清井 憧れは女優さんです。たこやきレインボーも個人の清井咲希ももっと知ってもらいたいので、お仕事をいただけたら何でもやりたい気持ちが強いです。将来的には、みんなが知ってる有名人というものになりたいですね(笑)。
profile
清井咲希(きよい・さき)
1999年8月5日生まれ、大阪府出身。
2012年より関西在住のアイドルグループ・たこやきレインボーで活動。2016年にシングル『ナナイロダンス』でメジャーデビュー。『おでかけ発見バラエティ かがくdeムチャミタス!』(テレビ大阪)に出演中。2021年1月より、cookpadLiveにて『うまさ二重マル!たこ虹カフェ』を配信中。
『LIVE in the HOUSE '20』
3月24日発売 \11000(税込)
2020年にたこやきレインボーが開催した2本の無観客生配信ライブ『CLUB RAINBOW '20』と『真夏のホームパーティー・ザ・ワールド』を収録。mu-moショップでの受注限定商品。
mu-moショップ https://shop.mu-mo.net/avx/sv/list1?merc_no=AVX1-27986
*受注期間は2月3日(水)12:00まで。
たこやきレインボー公式HP https://www.tacoyaki-rainbow.jp/