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サッカーACLで本田圭佑と対戦する日本人Kリーガーの“ツバサ・ニシ”って誰!?

金明昱スポーツライター
昨年6月から大邱FCに加入した西翼(写真:クラブ公式サイトのスクリーンショット)

 サッカーのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の東地区の1次リーグが5日に開幕する。

 2連覇が懸かるグループEの鹿島アントラーズはホームでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と、グループFのサンフレッチェ広島はアウェーで広州恒大(中国)と対戦する。

 さらに明日6日はグループGの浦和レッズがホームでかつて浦和に在籍した細貝萌を擁するブリーラム・ユナイテッド(タイ)と、グループHの川崎フロンターレは、アウェーで上海上港(中国)と対戦する。

 やはり日本勢の動向が気になるところだが、一方で、今年は元日本代表MF本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)がACLの舞台に登場することも、一つの大きな話題となっている。

 今日メルボルン・ビクトリーはホームで、韓国Kリーグの大邱FCを迎え撃つのだが、そこに日本人選手がいるのをどれくらいの人がご存じだろうか。その名はMF西翼(にし・つばさ、28歳)だ。

ポーランド4部からプロに

 大邱FCで有名な韓国選手と言えば、ロシアW杯にも出場した韓国代表GKチョ・ヒョヌだ。

 そんなチームで西翼の登録名は“ツバサ・ニシ”となっている。翼と言えば、日本で有名なサッカー漫画の「キャプテン翼」を思い浮かべる人も少なくないはずだ。

 もっとも、日本で西翼のことを知る人はほとんどいないかもしれない。というのも、まだ一度も日本のJリーグでプレーしたことがない。

 彼が大邱FCに加入したのは昨年6月のことで、その前は長らくポーランドのクラブでプレーしていた。

 大邱FCのクラブサイトのプロフィールを見ると1990年4月8日、熊本県出身で身長173センチ、66キロ。柿谷曜一朗(セレッソ大阪)、山口蛍(ヴィッセル神戸)、大迫勇也(ブレーメン)などが同年代となる。

 そんな西はルーテル学院中学校在籍時に全国中学校サッカー大会で優勝。同高校時代は2年の時に第86回全国高校選手権大会に出場。専修大学に進学し、2012年には関東大学サッカーリーグでの優勝経験もある。

 大学卒業後は日本でプロになることを選択せず、2013年にポーランド・3リーガ(4部リーグ)のKSグバルディア・コシャリンに加入した。

 それからポーランドのクラブを転々とし、韓国に来る前はポーランドの首都ワルシャワを本拠地とするレギア・ワルシャワに在籍。レンタルで4カ月、スロバキアのミハロフツェでプレーしたあと、韓国に渡ってきた。

「今では大邱FCの貴重な戦力」

 まだ韓国に来て1年も経っていないが、少しずつ適応してきている様子で、昨年は9試合に出場。

 今年は1日にKリーグが始まったばかりだが、開幕戦には西翼の名前があった。3-4-3の中盤で起用され63分に交代したが、豊富な運動量で昨年王者の全北現代を相手に1-1の引き分けに貢献した。

 韓国のサッカー担当記者も「今では大邱FCの主力で貴重な戦力ですよ」と太鼓判を押す。「日本でほとんど名が知られていない」と伝えると、そのことにも驚いていた。

 もちろん今日は本田圭佑がACLに初登場するだけに大きな話題になるのは間違いない。だが、本田の対戦相手となる大邱FCのもう一人の日本人、西翼にも注目してみたい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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