「鬼滅の刃」遊郭編 視聴率は「大台」突破ならずも… 次のポイントは
マンガやアニメが社会的ブームになった「鬼滅の刃」の新作「遊郭編」が5日23時15分から放送され、世帯視聴率は9.2%と各メディアが報じました。作品のクオリティーについては絶賛の声が多数を占めましたが、視聴率は「絶賛」とはいかないのが正直な感想ではないでしょうか。
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オリジナルエピソードを放送したテレビアニメ版「無限列車編」の第1話の視聴率10.0%に届かず、見栄えのする「大台」を突破しなかったためです。21時台に放送したアニメ映画「無限列車編」が21.4%でしたから、半分が逃げた計算なります。
これまでの「立志編」の高視聴率だけでなく、アニメ映画の興収400億円、ブルーレイ・DVD版の驚異的な売れ行きなどから考えると、若い世代などを中心に録画やネット配信の視聴を選んだと推測するのが妥当でしょう。
とはいえ、時間帯や占拠率を考えると、23時台に(しかも1話は1時間番組で日付をまたいだ)9.2%でも十分すぎる結果です。一方、これまでの驚異的な視聴率を考えると「もっと早い時間帯なら……」と考えてしまうのは仕方のないところ。また、ネットでは、「無限列車編」を再編集して放送(実質的な再放送)したことで、約2カ月の間隔が空いたことへの疑問も出ていました。
そして、多くのアニメ関係者も、テレビアニメ版「無限列車編」の視聴率から予想した通り「想定内」であるのも確かです。
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ツイッターの書き込みの流れを追うと、9月25日に地上波で初めて放送されたアニメ映画「無限列車編」の時と比べると、今回の遊郭編も相当な勢いがありました。
まず「#鬼滅の刃遊郭編」と「#鬼滅の刃」のワードがそれぞれツイッターのトレンド1位になりました。まず放送開始の5分後には「#鬼滅の刃遊郭編」が1位に浮上。そして30分後に1位は「#鬼滅の刃」にスイッチしました。
また、関連ワードが多くランクインしました。敵のボス・鬼舞辻無惨が部下を叱責するシーンでは「パワハラ」、刀鍛冶の鋼鐵塚(はがねづか)が刃物を持って主人公の炭治郎を追いかけまわす「鋼鐵塚さん」、そして遊郭編の主役格・宇髄天元を指す「宇髄さん」などが目立ちました。
放送直後には、トップ5のうち四つが関連ワードに(1位 #鬼滅の刃、2位 宇髄さん、4位 煉獄さん、5位 Aimer。なお3位 乃木坂工事中)。
ちなみにアニメ映画「無限列車編」の放送直後には、上位7位までが全部「鬼滅の刃」で占めました。放送時間も考慮すると視聴率の差ほどではありませんが、時間帯の違いがツイッターの盛り上がりにも影響したかもしれません。
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次のポイントは、放送開始から7日間以内に視聴した数値「タイムシフト視聴」の発表でしょう。
9月25日に放送されたアニメ映画「無限列車編」のタイムシフト視聴率は9.6%。リアルタイムと録画のいずれかで見た数字「総合視聴率」は28.0%で、全番組トップでした。遅い時間の放送だけに録画視聴者が増えることは予想されますので、引き続き注視したいところです。