3月16日開業!西鉄では14年ぶりの新駅 西日本鉄道天神大牟田線 桜並木駅(福岡県福岡市博多区)
来る3月16日、福岡市博多区に新たな駅が開業する。西鉄天神大牟田線の「桜並木(さくらなみき)」駅だ。西鉄の新駅開業としては、平成22(2022)年3月27日に開業した筑紫野市の紫(むらさき)駅以来14年ぶりとなる。
駅ができるのは福岡市博多区竹丘町三丁目。駅名は駅南側の「桜並木通り」に由来し、地域住民が長年にわたって手入れを続けてきた桜並木のように、町のシンボルとして末永く愛される駅になってほしいとの願いが込められている。駅名については、「地域のランドマークがわかりやすくていい」「素敵な駅名だ」という好意的な意見がある一方で、「独自性が薄くてありきたり」「桜並木という一般名詞のイメージの独占」という見方もある。
駅舎のデザインコンセプトは「在りし日の豊かな自然に想いをはせ、優しく芽吹く街のエントランス」で、イメージカラーは始まりを想起させる白色、アクセントカラーは新しい文化や生活が植物のように芽吹き育まれるようにとの思いから若緑色が選定されている。
駅が建設されたのは西鉄バス雑餉隈営業所跡地の一部で、令和2(2020)年3月21日に営業所は竹下に移転して雑餉隈車庫に格下げされていた。駅建設で敷地が小さくなったものの、バス車庫は今後も残る予定で、駅開業後は電車とバスの結節点として大いに賑わうことだろう。
駅建設は雑餉隈(ざっしょのくま)~下大利間の高架化に伴うもので、雑餉隈駅からは約500m、春日原(かすがばる)駅からは約900mと、両隣の駅との間隔はかなり短い。駅名決定前の仮称は「雑餉隈新駅」で、雑餉隈駅を移転する構想もあったようだが、結局新駅として開業することになった。雑餉隈駅から近すぎるのに駅が建設される理由としては、沿線の人口増加に加えて、バス営業所跡地の再開発という目的や、雑餉隈駅前が狭すぎてバスの乗り入れができないという事情もあると思われる。
駅の構造は三階建てで、一階に駅入口、二階に二か所の改札口が設けられ、三階がホームとなっている。ホームは相対式2面2線だ。エレベーターは4基、エスカレーターは8基設置される。開業を一か月後に控え、仮囲いも徐々に外されたことで敷地外からでも駅の様子が見えるようになってきている。
桜並木駅に停車するのは普通列車のみで、平日は約230本の列車が停車する予定だ。利用者数は一日9000人が見込まれている。駅開業によって、雑餉隈駅の利用者の一部が桜並木駅の利用に切り替えるのは間違いないだろう。それに加えて西に600mしか離れていないJR南福岡駅の利用者がどれだけ西鉄利用に切り替えるのか、駅周辺の開発がどれだけ進むのかが、桜並木駅の今後の発展のカギになりそうだ。