党大会「5月6日開催」決定で5度目の核実験はいつ?
労働党大会の開催が5月6日(金)と正式に決まったようだ。
大会は一日で終わるのでなく、数日間行われる見込みだ。1970年11月に開催された5回大会は12日間、前回大会は5日間かかっている。
大会は党の規約に基づけば▲党中央委員会と中央検査委員会の事業総括▲党の綱領と規約の採択及び修正▲党の路線と政策、戦略戦術の基本問題の討議▲党総書記の推戴▲党中央委員会及び中央検査委員会の選挙などが行われる。
現在、労働党最高幹部は金正恩第一書記(33歳)、金永南最高人民会議常任委員長(88歳)、黄炳誓軍総政治局長(76)の3人の常務委員と金基南(88)、崔泰福(86)、楊亨變(91)、李勇茂(91)、姜錫柱(77)、朴道春(72)、金元洪(69)、朴奉柱(76)、崔龍海(66)、郭範基(77)、呉秀英(72)ら11人の政治局員と太宗秀(80)、金平海(75)、呉克烈(86)、盧斗鉄(72)、趙英俊(79)、崔富一(72)の6人の政治局員で構成されている。金第一書記を除くメンバーは60代後半から90代と高齢いうこともあって大幅な人事が予想される。
大会ではまた核と経済を並行して進める「並進路線」が再確認される一方で、人民生活向上のための青写真が提示されることになるだろう。
北朝鮮は党中央委員会と中央軍事委員会の名で「今年、強盛国家建設の最全盛期を開こう」など約350の共同スローガンを発表していたが、そのうち経済や暮らしに関するスローガンは100ほどあった。
・「人民生活を向上させよう」
・「農林、畜産、水産で生産を高めよう」
・「国の電力生産を決定的に増やせ」
・「対外貿易を多角化、多様化せよ」
・「平進路線を徹底的に貫徹しよう」
・「主体朝鮮の衛星を万里蒼空へもっと多く打ち上げよ」等など。
さらに2月24日には党大会に向け、生産や建設などを集中的に行う「70日戦闘」を全党員、全国民に呼び掛けている。過去にも、党大会を前に数カ月間の期間を設定し、生産・建設拡大を呼び掛ける「戦闘」キャンペーンが繰り広げられていた。ちなみに前回大会の前にも「100日戦闘」が大々的に行われていた。
前回大会(80年)では第2次7か年経済計画(80-87年)が打ち出され、金日成主席は1983年7月にペルー人民革命同盟代表団との会見で「我々は1985年まで社会主義経済建設の10大展望目標のうち重要目標を達成し、1986年に第7回党大会を開催する予定である」と発言していた。経済目標達成に自信満々だった。
また、第6回大会でお披露目された後継者の金正日書記も1984年2月16日、党幹部らを前に「経済戦争で韓国を圧倒するようにしなくてはならない。人民生活を画期的に高めることが労働党の最高原則である」と発言していた。これまた目標達成に強気だった。だが、第2次7か年経済計画は目標をクリアできず、頓挫してしまった。それでも今度は1987-93年にかけて第3次7ヵ年経済計画を打ち出した。
金主席は第3次7ヵ年経済計画(1987-93年)の最終目標は「全ての人民が白米に肉のスープを食べ、絹の服を着て、瓦葺の家で暮らすことできるようにすることである」と国民に誓った。そのための最優先課題として10大目標を掲げた。
穀物350万トン→1500万トン、電力300万kw→1000万kw、化学肥料70万トン→700万トン、石炭5000万トン→1億2000万トン、鉄鋼1500万トン、非鉄金属150万トン、水産物500万トン、繊維15億メートル、干拓地3000万ヘクタールなど。
しかし、現実は穀物1千5百万トンが450万トン、電力1千億kwが310億kw、石炭1億2千万トンが5千万トン、化学肥料700万トンが70万トン(※化学肥料の生産能力は368万トンあった)と散々だった。その結果、経済は90年から98年まで9年連続マイナス成長を記録せざるを得なかった。
4月23日の潜水艦弾道ミサイルの発射成功で気を良くして公示が早まったのか定かではないが、これで、ミサイル発射も核実験も打ち止めなれば良いのだが、そうはいかないだろう。党大会で「核大国になった」と宣言するには5度目の核実験が不可欠だろう。
どんなに遅くても「70日戦闘」が終了する最終日の5月2日までには行われるだろう。もしかると、「70日戦闘」のフィナレーの5月2日に最後の戦闘成果として実験が行われるかもしれない。