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女流棋戦初の七番勝負開幕! 第1期ヒューリック杯白玲戦第1局▲西山朋佳女流三冠-△渡部愛女流三段

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

「定刻になりましたので、第1期ヒューリック杯白玲戦七番勝負第1局、西山女流三冠の先手で対局を開始してください」

 9月11日9時。東京都港区「グランドニッコー東京 台場」において第1期ヒューリック杯白玲戦七番勝負第1局▲西山朋佳女流三冠(26歳)-△渡部愛女流三段(28歳)戦が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 白玲戦は女流棋界8番目のタイトル戦として創設されました。そして初の七番勝負制です。

 本棋戦の主催はヒューリック株式会社。対局開始に先立つ振り駒は西浦三郎代表取締役会長がおこないました。「歩」が4枚出て、先手は西山女流三冠と決まりました。

 定刻9時。立会人の中村太地七段が声をかけて、両対局者は一礼。女流棋戦初の七番勝負が開幕しました。

 西山女流三冠は初手、中央5筋の歩を突きました。中飛車の意思表示です。

 渡部女流三段は2手目、飛車先、8筋の歩を前に進めます。こちらは居飛車で臨む姿勢です。

 関係者のほとんどが退出したあと、清水市代女流七段が両対局者に声をかけます。

清水「何か気になることありますか? 空調とか」

西山「室温を1度下げていただきたいんですけども」

渡部「あ、はい、大丈夫です」

 両対局者ともに優美な和服姿。西山女流三冠にとっては、少し暑かったのかもしれません。

 記録係の礒谷真帆女流初段が「承知しました」と言って席を立とうとしたところ、清水女流七段が代わって席を立ちました。

 西山女流三冠は5筋位取り中飛車の作戦。対して渡部女流三段は陣形を低く構え、飛車側の銀を守りに繰り替えて穴熊を目指します。

 西山女流三冠は相手の弱点である角頭をねらい、3筋から歩をつっかけていきます。序盤の駆け引きの末、戦型は相穴熊へと進みました。

 持ち時間は各4時間(チェスクロック方式)。昼食休憩をはさんで、終局は夕方から夜にかけてと予想されます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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