この球団は遊撃手をかき集める。昨夏まで「今後10年の遊撃は不動」のはずだったが…
今オフ、タンパベイ・レイズは、遊撃手をかき集めている。
2月20日、レイズは、ユー・チャンとアーメッド・ロザリオの2人と、それぞれ、マイナーリーグ契約とメジャーリーグ契約を交わした。ESPNのジェフ・パッサンとタンパベイ・タイムズのマーク・トプキンによると、ロザリオの契約は1年150万ドルだという。
年明け早々、レイズは、外野と一塁を守るルーク・レイリーをシアトル・マリナーズに放出し、交換に、ホゼ・カバイェロを獲得している。
チャン、ロザリオ、カバイェロは、3人とも、遊撃をメインのポジションとする内野手だ。チャンの守備イニングは、マイナーリーグでもメジャーリーグでも、遊撃が最も多い。ロザリオは、ニューヨーク・メッツとクリーブランド・インディアンズ/ガーディアンズで、遊撃のレギュラーとしてプレーしてきた。カバイェロは、メジャーリーグでは二塁出場のほうが多いが、まだ1シーズンに過ぎない。マイナーリーグの通算守備イニングは、遊撃が二塁を上回る。
昨夏まで、レイズの遊撃は、今後も不動のはずだった。2021年のオフに、レイズは、当時20歳のワンダー・フランコと11年1億8200万ドル(2022~32年)の延長契約を交わした。この契約には、2033年の球団オプションもついている。
2021年にメジャーデビューしたフランコは、最初の2シーズンに、計153試合で出塁率.337、13本塁打と10盗塁、OPS.776を記録した。そして、3シーズン目の2023年は、8月12日までの112試合で出塁率.344、17本塁打と30盗塁、OPS.819。オールスター・ゲームにも選ばれた。
だが、レイズは、8月14日にフランコを制限リストに入れた。母国のドミニカ共和国において、14歳の少女と不適切な行為を行った疑惑が浮上した。
現在、フランコは、40人ロースターに名を連ねている。とはいえ、スプリング・トレーニングには参加しておらず、メジャーリーグで再びプレーする機会があるのかどうかさえ、定かではない。
また、8月半ば以降、遊撃のポジションを分け合ったオスレイビス・バサービーとテイラー・ウォールズのうち、ウォールズは、10月下旬に腰の手術を受けた。開幕には間に合わない。
プロスペクトのジュニオール・カミネロとカーティス・ミードは、遊撃よりも、三塁あるいは二塁が適任だと思われる。ちなみに、三塁のレギュラーと二塁のレギュラーは、イサック・パレイデスとブランドン・ラウだ。
今のところ、開幕時点の遊撃は、レギュラーがカバイェロ、バックアップはロザリオとなる可能性が高そうだが、まだ確定とは言えない。
なお、レイズとは別の話だが、サンディエゴ・パドレスは、かつて遊撃手だった選手を数多く擁している。それについては、こちらで書いた。