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シーズン100勝以上のチームがポストシーズンで全敗は、今年のオリオールズ以外にもあるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディーン・クレイマー(ボルティモア・オリオールズ)Oct 10, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボルティモア・オリオールズは、レギュラーシーズンに、ア・リーグ最多の101勝を挙げた。ナ・リーグにも、オリオールズより白星が多いチームは、104勝のアトランタ・ブレーブスしかない。

 だが、ポストシーズンでは、1勝も挙げられなかった。ディビジョン・シリーズで、90勝のテキサス・レンジャーズにスウィープされた。

 レギュラーシーズンに100勝以上を挙げながら、その年のポストシーズンで0勝に終わったチーム――最初のステージでスウィープされたチーム――は、見落としがなければ、今年のオリオールズを含めても、7チームしかない。

 1954年のクリーブランド・インディアンズ(111勝)と1963年のニューヨーク・ヤンキース(104勝)は、ワールドシリーズで0勝4敗。1971年のオークランド・アスレティックス(101勝)、1976年のフィラデルフィア・フィリーズ(101勝)、1980年のヤンキース(103勝)は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズで0勝3敗。2019年のミネソタ・ツインズ(101勝)は、今年のオリオールズと同じく、ディビジョン・シリーズで0勝3敗だ。

 しかも、この6チーム中3チーム、1971年のアスレティックスと1976年のフィリーズ、2019年のツインズは、ポストシーズンで顔を合わせた相手も、100勝以上を挙げていた。例えば、4年前にツインズをスウィープしたのは、103勝のヤンキースだ。

 あとの3チームも、敗れた相手は、97勝以上のチームだった。

 レギュラーシーズンに100勝以上を挙げながら、ポストシーズン最初のステージで90勝以下のチームにスウィープされたのは、今年のオリオールズが初めて、ということになる。

 もっとも、この記録は、すぐに更新されるかもしれない。レギュラーシーズンに100勝を挙げたロサンゼルス・ドジャースは、ディビション・シリーズの第1戦も第2戦も敗れている。相手は、84勝のアリゾナ・ダイヤモンドバックスだ。第3戦は、10月11日に行われる。

 また、ポストシーズンでは勝てなかったものの、オリオールズの将来は明るい。今シーズン、300打席以上を記録した10人のうち、20代でないのは、31歳のアダム・フレイジャーと7月に30歳となったライアン・オハーンだけ。なかでも、ガナー・ヘンダーソンはまだ22歳に過ぎず、アドリー・ラッチマンも25歳と若い。ディビジョン・シリーズの先発マウンドに上がった3人、カイル・ブラディッシュグレイソン・ロドリゲスディーン・クレイマーは、いずれも27歳以下だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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