腎機能を維持するために介護食でできること。その2.腎機能の維持は「たんぱく質」について知ること
その1.腎臓のはたらきについて簡単に書かせて頂きました。今回は、たんぱく質の考え方の違いについて簡単に説明します。
介護食では、体力、筋力維持のためにできるだけ「たんぱく質」をしっかりと食べるようにした方が良いと言われています。老化にともなって転倒や骨折のリスクが上がったり、病気やケガからの回復も遅くなるので、たんぱく質やエネルギーになるごはんやパンなどの主食をしっかり食べることがとても大事になってきます。
しかし腎機能が低下すると、介護食で意識している「たんぱく質をしっかり食べる」という考えが変わっていくからです。腎臓になるべく負担がかからない食事の内容を下記に書きます。
1.たんぱく質を食べ過ぎない:腎臓に負担がかかります。
2.塩分を控える:むくみや高血圧につながります。
3.エネルギーはしっかりと食べる:糖質と脂質でエネルギーはしっかり食べないと全体のエネルギーが低く痩せていき、体力低下につながる恐れがあります。
文字で簡潔に書くと「これだけ?」と思われるかもしれません。ですが日頃「介護食」を作ったり、用意している方には少し違和感が出てくるのではないでしょうか。たんぱく質を控えて糖質と脂質でエネルギーをとることは、簡単ではありません。ごはんやパン、麺類にもたんぱく質は含まれています。なので「たんぱく質の制限」があると今までと同じ介護食を食べてもらうとこが難しくなります。
介護食では、たんぱく質は筋力体力維持のためには必須でできるだけ毎食食べるように工夫しています。
なので介護食を食べている人の腎機能が落ちてしまったら、食事の内容を全体的に見直しが必要になります。
日々の介護食も考えて作って…と大変なのに「腎臓病の食事」をここにプラスして考えると…。正直、頭が痛くなります。
そうならないためにも、日々の食事や病院での検査の結果はしっかり把握しておくことが大事になります。検査の結果を都度聞いていれば、現状の腎臓の機能が正常か、少し低下しているかわかるからです。数値をみてもわからないので医師や看護師さんに遠慮なく「腎機能は正常ですか?どの血液検査の数値をみれば腎機能がどのような状態かわかりますか?」と聞いて下さい。聞かないと答えてくれない場合もあると思います。あとで「介護食に腎臓病食だ…」と悩むより日頃から把握しておくことが介護食を難しくさせないためのポイントです。
腎機能に関わらず、糖尿病や高血圧などわからないこと、気になる事は遠慮せず聞くことが介護食に限らず、健康維持には必要です。
わが家の介護メンズも、一時期「腎機能の低下」が指摘され、診察室で「ゲっ!」と思わず私は声に出してしまいました。そんな私の反応に先生は「まだ日頃の食事で改善できる範囲ですから」と言ってその日は終わりました。そこから私の「腎機能を意識した食事」を介護食に足していきました。日々の食事でできる内容なので、その3.でご紹介したいと思います。
※食事制限などされている方は一度、かかりつけ医、看護師、栄養士さんにご相談ください。
※介護を受けている方の病態や薬によって食事の内容は様々です。食事の内容は医療関係者管理栄養士などにご相談してくださいね。