オートバイのあれこれ『CBやZには流されない。ヤマハのビッグバイク第一号』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今回は『CBやZには流されない。ヤマハのビッグバイク第一号』をテーマにお話ししようと思います。
1970年(昭和45年)、ヤマハは初めてとなるビッグバイクをリリースしました。
その名も『XS-1』。
排気量650ccのバーチカルツイン(並列2気筒)エンジンに、端正&スリムなボディデザイン。
ホンダのCBやカワサキのZが男性的な迫力・力強さをまとっていたのに対し、XSはどこか女性的な、華奢な雰囲気を醸し出していました。
乗り味の面でも、XSは“剛”ではなく“柔”のテイスト。
「いくら高性能で迫力があっても、乗り手が安心して扱えなければ意味が無い」
という考えのもと、ヤマハは絶対的なスペックよりも馴染みやすいフィーリングを優先してXSに持たせたのでした。
「スペックや先進性だけで、バイクの良し悪しは語れない」という信条を、ヤマハはXSを通じて主張していたのです。
XSは登場後、CBやZの人気を凌駕するには至りませんでしたが、その親しみやすさが受けて一定の人気を獲得しました。
ヤマハには「人機官能」という独自の設計思想があります。
以下、ヤマハ公式ウェブサイトより
この「人機官能」が分かりやすく映し出された最初のオートバイが、XS-1だったといえるでしょう。