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あさって6日(木)は関東南部でも雪が舞う?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
都心の降雪(写真:ロイター/アフロ)

強い下層寒気の中、南岸低気圧が通過へ

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

上図はあさって6日(木)午前9時の予想天気図と上空1500メートル付近の下層寒気の強さを示したものです。

西日本の南海上を前線を伴った低気圧が東進する見込みですが、これはいわゆる南岸低気圧と呼ばれるもので、冬季に本州の南岸を通過しながら太平洋側に雨や雪を降らせる典型的な低気圧となります。

この低気圧が通過する際、上空に流れ込んでいる下層寒気が強ければ強いほど、雪となる可能性が高まりますが、今回の下層寒気はかなり強く、特に関東付近に流れ込んでいる-6度以下の寒気は、降れば平地でも多くの所で雪となる強いものです。

ただ難しいのは、予想される南岸低気圧は北緯30度付近をほぼ真東に進む予想で、降水域が太平洋側にどれくらいかかるのかというところです。さらにこの南岸低気圧の北側の伊豆諸島付近にも別の小さな低気圧のようなものが発生する可能性があり、この動向も予報を難しくするポイントの一つです。

あさって6日(木)の降雪予想

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

上図は南岸低気圧に伴う雨や雪の予想で、種々のモデル間には降水域の広がりの差があるのですが、左側のGSMモデルは比較的降水域を広げているもので、あさって6日(木)正午の段階で、関東南部や東海地方にしっかりと降水域がかかっている状態です。

一方、右図のMSMモデルでは房総半島や伊豆半島の先端に少しかかる程度で、陸地の上にはあまり広がらない予想となっています。

今のところ、気象庁の見立てとしてはあまり降水域の広がらないMSM寄りで予報が発表されていると思われますが、下層寒気が強く、降水域が少しでも陸地寄りに広がれば、雪の範囲が広がることになり、油断は出来ません。

あさって6日(木)の予想降雪量

24時間予想降雪量(ウェザーマップ)
24時間予想降雪量(ウェザーマップ)

念のため、降水域が広がる予想のGSMによるあさって6日(木)の24時間予想降雪量をみてみると、関東南部の降水量は数ミリ程度なのですが、降ればほぼ雪という可能性が高いため、東京都心を含めて関東南部には1センチ~3センチの降雪量を示す濃い青色が広がっており、降水量のやや多い千葉県では、多い所で5センチ前後の降雪量が計算されています。(1ミリ1センチ程度の計算です。)

また西日本ほど南岸低気圧が近く、降水域が広がりやすいため、九州や四国の山沿いでは10センチ以上の大雪が計算されており、中国や近畿、東海の平地でも降雪が予想されています。

きょう夕方に気象庁から九州北部四国に大雪に関する情報が出されました。

上図はあくまでもGSM寄りに降水域が広がった場合の計算なのですが、今回は下層寒気が強く、降れば雪という所も多くなりそうですから、最新の予報、気象庁の見解に注意していただきたいと思います。

東京都心でも雪が舞う?

東京都心のポイント予報(ウェザーマップ)
東京都心のポイント予報(ウェザーマップ)

上図はGSMを主体に計算されたウェザーマップによる最新の東京都心のピンポイント予報です。

あさって6日(木)は朝1度程度まで冷え込み、昼前に3度程度まで上がるとともに雪が降り出し、夕方にかけて雪が降りやすくなる予想です。雪がピークとなる(とはいっても1時間に1ミリ弱程度の降水量)昼過ぎには気温が再び1度程度まで下がるため、郊外を中心にうっすらと積もってもおかしくないような予報です。

これは降水域が都心周辺まで比較的しっかりと広がってきた場合の予報で、MSM寄りになれば、ちらつく程度、あるいはほとんど降らないで終わってしまうことも十分に想定内ではあるのですが、雪に慣れない都心など、関東南部の平野部では、わずかな積雪でも転倒事故やスリップ事故につながることが多いですから、念のため、雪が降ることを想定して、対策を行うことも必要かもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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