小春日和のち冬の嵐、のち強い寒気南下
高気圧と高気圧の間の複数の低気圧
高気圧と低気圧が交互に通過するという秋に多い天気図となっています。
11月15日(水)は、前日に全国的な小春日和をもたらした高気圧が東海上に去り、そのあとを、複数の低気圧が通過しました(タイトル画像)。
このため、全国的に雨ではなく、雨や雪が降ったりするところがある一方、晴れる所も多くなるという、まだら模様の天気になりました。
全国的に風が弱く、最高気温は、関東は平年よりやや低かったものの、その他の地域は平年並みとなり、小春日和のところが多くなりました。
「七変化」のように変わりやすい天気の中、突然の雨と寒さの対策をして「七五三」のお参りに神社へ行かれたかたも多かったのではないかと思います。
11月15日に全国で一番気温が高かったのは、沖縄県・石垣島の27.3度で、最高気温が30度以上の真夏日を観測した地点はありませんでした。
最高気温が25度以上の夏日を観測した地点も沖縄県の12地点(気温を観測している全国914地点の約1.3パーセント)にとどまりました(図1)。
逆に、最低気温が0度未満の冬日を観測したのが222地点(約24パーセント)と、週初めに南下した寒気の影響が残りました。
16日(木)は、次の高気圧が進んできますが、すぐに東シナ海と黄海で低気圧が発生し、発達しながら日本の南岸と日本海を東進する見込みです(図2)。
今度は、大きな低気圧の通過で、本州南岸と日本海を2つの低気圧が進むという全国的に雨となることが多い「二つ玉天気図型の気圧配置」となる見込みです。
このため、南西諸島や九州、中国・四国は雲が多く、午後からは雨となり、雷を伴って激しく降る所がある見込みです。
近畿、東~北日本は午前中は晴れますが午後は雲が広がり、夜には雨の降る所があるでしょう。
低気圧や前線に向かって暖気が北上しますので、11月17日の冬日は45地点(約5パーセント)程度に大きく減少する見込みです。
とはいっても、夏日が増えるほどの暖気北上ではなく、季節は冬に向かって着実に進んでいます。
冬の嵐と強い寒気南下
今週末は、本州南岸と日本海を進む2つの低気圧が北海道の東海上で一つになって発達し、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となる見込みです。
このため、全国的に暴風が吹き荒れ、冬の嵐となる見込みです。
気象庁では、5日先までに警報を発表する可能性を「高」「中」の2階級で示す早期注意情報を発表していますが、このうち、11月18日に暴風警報を発表する可能性が「中」なのは、北海道から九州までの広い範囲にわたっています(図3)。
寒気の強さの目安として、上空約5500メートルの気温が使われており、この気温が氷点下36度以下なら大雪、氷点下30度以下なら平野部でも雪というものです。
11月11日から13日にかけて南下してきた寒気は、氷点下30度以下の範囲が東北南部から山陰地方まで南下してきましたが、今週末に南下してくる寒気は、これと同程度のものです(図4)。
気温が記録的に高かった今年は、10月21日夜に旭川市でみぞれが降って平年より2日遅い初雪を観測したものの、それ以外の地方では初雪の観測が大幅に遅れていました。
それが、11月10日夜に稚内で平年より22日も遅い初雪を観測したのをはじめ、11日未明から朝にかけて、札幌市、函館市、室蘭市、網走市などで平年より9日から12日遅い初雪を観測しました(表)。
北海道以外でも、11月11日朝には青森市で平年より3日遅い初雪を、13日朝には盛岡市でも平年より4日遅い初雪を観測しました。
しかし、今週末の寒気南下によっても、本州各地で初雪が相次ぐということになりそうもありません。
ただ、来週末には、さらに強い寒気が南下してくる見込みで、これで、本格的な冬の到来となりそうです(図5)。
タイトル画像、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2の出典:気象庁ホームページ。
図5の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
表の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。