シリア北西部のイドリブ県内を移動中のトルコ軍装甲車2輌がシリア軍の砲撃を受ける
シリア北西部のイドリブ県では、反体制系サイトのEldorarなどによると、9月18日、反体制派が支配するいわゆる「解放区」内を移動中のトルコ軍装甲車2輌がシリア軍の砲撃を受けた。
トルコ軍が砲撃を受けたのは、シリアのアル=カーイダとして知られるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(国民軍、Turkish-backed Free Syrian Army、TFSA)を主体とする「決戦」作戦司令室が活動を続けるザーウィヤ山地方のマアズラーフ町に近い街道で、カフルバッティーフ村に駐留するシリア軍部隊が迫撃砲で走行中の装甲車を狙った。
装甲車は炎上したが、トルコ軍側に死傷者はなく、被害も限定的だった。シリア軍は、トルコ軍に対する被害を抑えるため、比較的破壊力が低い82ミリ迫撃砲を使用したと見られる。
英国を拠点とする反体制系NGOのシリア人権監視団によると、シリア軍はまた、ザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村、バイルーン村、フライフィル村、スフーフン村、バイニーン村を砲撃、ファッティーラ村で住民4人が負傷した。
トルコは、2017年5月のアスタナ4会議の合意に従って、シリアのアル=カーイダとして知られるシャーム解放機構が主導する反体制派支配下の「解放区」内に72カ所の監視所や拠点を設置し、停戦監視の名目のもと、反体制派の「盾」となって、これを支援している。
なお、9月15日と16日、トルコの首都アンカラで、ロシア・トルコ両軍の高級レベル会合が開かれ、イドリブ県情勢やリビア情勢への対応が協議された。
RIAノーヴォスチ通信などによると、ロシアはこの会合で、イドリブ県内のトルコ軍の拠点の削減を提案したが、トルコはこれを拒否、代わりに兵力削減と重火器撤去を決定した。
(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)