通算2完投でノーヒッター2度。これは大投手の証? 幸運の賜物?
5月7日、マイク・ファイヤーズ(オークランド・アスレティックス)がノーヒッターを達成した。ファイヤーズにとっては、ヒューストン・アストロズ時代の2015年8月21日に続く、2度目の快挙だ。
ノーヒッター2度以上の投手は、7度達成したノーラン・ライアンを筆頭に35人を数える。コール・ハメルズ(シカゴ・カブス)は2度のノーヒッターに名前を刻んでいるが、1度目の2014年9月1日は4投手による継投――ハメルズは先発して6イニングを投げた――なので、ここには含んでいない。ロイ・ハラデイは、2010年のレギュラーシーズンとポストシーズンに1度ずつ(1度目は完全試合)。ライアン、野茂英雄、ファイヤーズら7人は、異なる球団で達成した。ライアンは3球団だ。
35人のうち、オールスター・ゲームが始まる前にキャリアを終えた10人を除くと、一度も選出されたことがないのは、ボブ・フォーシュとホーマー・ベイリー(カンザスシティ・ロイヤルズ)、ファイヤーズの3人だけだ。ベイリーもファイヤーズも、今シーズンの防御率は5点台(ファイヤーズはノーヒッターを達成しても)。この夏もオールスター・ゲームとは無縁だろう。
多くのノーヒッターがそうだが、ファイヤーズの2度目も、後ろを守る野手の助けなしには達成できなかった。なかでも、6回表にジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)に打たれたボールは、センターにラモン・ローリアーノがいなかったなら、間違いなくフェンスを越えていた。そうなれば、この時点でノーヒッターどころか完封すら消滅していた。
最初のノーヒッターから2度目までの間に、ファイヤーズが8イニングを超えて投げた試合はなかった。7イニングを超えたのも2試合だけだ。しかも、来月で34歳と若くもない。ただ、再び完投すれば、それもまたノーヒッターなのだろうか。現時点の完投は通算2度。そのどちらもノーヒッターだ。キャリア最初の2完投ともノーヒッターという投手は、ファイヤーズの他には誰もいない。