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新加入の選手にロースター枠を空けるため「生え抜きの最古参」をDFAに。通算登板は球団3位

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・バーンズ(ボストン・レッドソックス)Sep 11, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月24日、マット・バーンズは、ボストン・レッドソックスにDFAとされた。レッドソックスは、FA市場に出ていたアダム・デュボールと1年700万ドルの契約を交わした。レッドソックスの40人ロースターに空きはなく、デュボールをそこに入れるには、代わりに誰かを外す必要があった。

 32歳のバーンズは、生え抜きの最古参だ。2011年のドラフトで全体19位指名を受け、コネティカット大からレッドソックスに入団し、2014年9月にメジャーデビューした。通算429登板は球団3位。637登板のボブ・スタンリーと590登板のティム・ウェイクフィールドに次ぐ(4位は396登板のジョナサン・パペルボン)。47セーブはキース・フォルクと並ぶ16位、99ホールドは最多だ。

 60登板以上のシーズンは、2016~19年と2021年の5度を数える。2018年はポストシーズンの10登板で自責点1。この年、レッドソックスはワールドシリーズを制した。2021年はオールスター・ゲームに選ばれ、2022年は最初の20登板こそ防御率7.94ながら、右肩の故障により、故障者リストに入って2ヵ月を過ごした後は、24登板で防御率1.59を記録している。

 ウェーバー公示中ウェーバー公示の期間中に、バーンズが移籍することはないだろう。今年は、2年1875万ドルの契約2年目だ。バーンズを獲得した球団は、残りの975万ドル――2023年の年俸750万ドルと2024年の球団オプション(年俸800万ドル)を解約する際の225万ドル――をレッドソックスから引き継ぐことになる。

 だが、公示期間が終わり、バーンズが降格を拒否してFAになれば、欲しがる球団はいくつもあるはずだ。この場合は、最低限の年俸72万ドルでバーンズを手に入れることができる。

 今オフ、バーンズのように、契約の途中でDFAとされた選手については、こちらで書いた。

「年俸72万ドルの「大物」たち。契約する球団のリスクはなし。高年俸は他球団が負担」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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