東西に長い福島県は、海から山まで豊かな自然が広がり、温泉も各地に点在する。

飯坂温泉や土湯温泉のような歴史ある温泉地のほか、内陸の会津地方には鄙びた名湯がそろう。いずれも落ち着いた雰囲気と環境で、ソロ温泉（ひとり旅）にはぴったりだ。

そこで、福島県の温泉に絞って、ソロ温泉で訪ねたい温泉を紹介しよう。

木賊温泉・湯ノ花温泉（福島県）

南会津にある鄙びた温泉地。ともに喧騒とは程遠い静かな温泉街で、小さな宿と共同浴場で形成される。なかでも共同浴場は源泉の質が高く、個性的。木賊温泉の岩風呂は川沿いにある混浴の共同浴場で、足元湧出の新鮮な湯を楽しめる。

飯坂温泉（福島県）

JR福島駅から飯坂線に乗り換えて約20分。終点に温泉街が広がる。鯖湖湯をはじめ共同浴場が充実しているのが魅力。風情のある小さな旅館から大型旅館まで数多くそろうので、自分の好みや目的に合わせて選ぶといいだろう。市街地にある温泉なので、素泊まりでも飲食や買い物にはあまり困らない。

高湯温泉（福島県）

標高750ｍの高原に位置する温泉地で、周囲の自然環境は抜群。乳白色に濁る湯は温泉ファンの評価も高く、すべての宿が源泉かけ流しだ。湯めぐりを楽しみたい。共同浴場「あったか湯」では、気軽に日帰り入浴も可能。

玉梨・八町温泉（福島県）

奥会津の山あい、野尻川沿いに湧く小さな温泉地。川を隔てて、２つの温泉地に分かれている。日帰り温泉のせせらぎ荘は、２つの源泉を同時に楽しむことができ、そのうちひとつは全国的に貴重な二酸化炭素泉。体中に気泡が付着する名湯だ。なお、奥会津には個性的な湯がそろっているので、湯めぐりも楽しい。

土湯温泉（福島県）

福島市内にある温泉地で、こけし発祥の地として知られる。歴史ある温泉街で、大小の宿が並ぶ。その中心にある公衆浴場「中之湯」は、２つの源泉をかけ流しで堪能できる。近年オープンしたゲストハウス「YUMORI ONSEN HOSTEL」では、リーズナブルな価格で湯治体験ができる。