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無料配布された「ロック様」ドウェイン・ジョンソンのアメフト・カードが144万円で取引される

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
大学時代のアメリカンフットボール・カードが144万円で落札されたザ・ロック(写真:REX/アフロ)

 元WWEの人気プロレスラーで俳優のザ・ロックことドウェイン・ジョンソンの大学時代のアメリカンフットボール・カードが1万3988ドル(約144万円)で落札された。

 大学時代には強豪、マイアミ大学のアメリカンフットボールの選手として活躍したジョンソン。1991年には無敗で全米王者に輝いたマイアミ大学の優勝に貢献。

 度重なるケガでNFL選手になる夢は叶わず、祖父、父と同じプロレスラーの道に進んだロック様。今回、144万円で落札されたカードは、ジョンソンが4年生だった1994年シーズンにプロモーション用に作成されたもの。

 ツナ缶会社がスポンサーになって作られたこのカードは、1枚の大きなシートにマイアミ大学の主力24選手が配置され、ミシン目に沿って切ると24枚のカードになるもの。ザ・ロックの他にも、彼からディフェンシブ・タックルの先発の座を奪い、マイアミ大学卒業後にはNFLで活躍して殿堂入りした名選手、ウォーレン・サップ(当時3年生)や、同じく殿堂入り選手のレイ・ルイス(当時2年生)、レゲエ・ミュージシャンの第一人者であるボブ・マーリーの息子、ローハン・マーリーとディフェンスに凄い選手が揃っていた。マーリーはNFL選手にはなれなかったが、卒業後はカナダに渡ってカナディアン・フットボール・リーグでプロ選手としてプレー。NFL選手になる夢は、息子のニコラス・マーリーに託され、ニコラスは2017年春にドラフト指名外選手としてワシントン・レッドスキンズと契約を結んだが、開幕前に解雇されてしまった。

 そんな豪華なカードシートは、マイアミ大学のホームゲームで入場者に無料配布されたが、この日は生憎の雨で、多くのシートは濡れて捨てられてしまい、50セット程度しか現存しない幻のカードと言われている。

 その中でも保存状態が「ミント(完璧)」と呼ばれる「10」評価を得るカードは数枚しかない。

 ネット・オークションの「eBay」に出品されたこのカードは、53度の入札の末、1万3988ドルで落札された。

 2014年に4228ドル(約43万円)で取り引きされたカードの価値は、6年で3倍以上に跳ね上がった。

 大学時代を過ごしたマイアミで開催された今年のスーパーボウルでは、出場両チームの選手紹介の大役を担ったロック様。

 ロック様のアメフトに対する情熱は衰えておらず、新型コロナウイルスの影響を受けて倒産した新興アメフト・リーグのXFLの権利を古巣のWWEから1500万ドル(約16億円)で買収。来年のシーズン再開を目指して動いている。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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