『ジョジョの奇妙な冒険』のDIOと『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨。もし2人が戦ったら、勝つのはどっちだ!?
こんにちは、空想科学研究所の柳田理科雄です。
マンガやアニメ、特撮番組などを、空想科学の視点から、楽しく考察しています。
さて、2021年最後の研究レポートは……。
「作品を超えてぜひ戦ってもらいたい!」と筆者が強く望むのが、DIOと鬼舞辻無惨だ。
説明するまでもなく、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのラスボスと、『鬼滅の刃』の鬼の親玉。
あなたも気になりませんか、この対戦!?
このカードの魅力は「イギリスの吸血鬼vs日本の鬼」という点にある。
どちらもモーレツに強く、再生能力がものすごく、おそろしく長生きで、太陽の光が弱点! そのうえ魅惑のイケメン!
洋の東西は違うが、共通点がとても多いのだ。
◆とっても強そうな2人!
『ジョジョの奇妙な冒険』のラスボスとして、不動の存在感を放っているのがDIOだ。
ジョースター一族の宿敵として、シリーズ各作品にさまざまな形で関与する。相手の攻撃に「無駄無駄無駄無駄無駄無駄」と言い放つ冷酷漢で、「悪のカリスマ」や「悪の帝王」や「悪の救世主」や「生まれついての悪」などと呼ばれる。
再生能力がものすごく、剣で頭部を両断されても復活する。技も多彩で、なかでも「気化冷凍法」はすごい。スタンドの「世界(ザ・ワールド)」に至っては、なんと時を止められる!
弱点は、太陽の光と、波紋エネルギーだけ。
『鬼滅の刃』のラスボスが鬼舞辻無惨だ。この世界の鬼はすべて、人間が無惨の血を浴びるなどして生まれ、彼の絶対支配下にある。
千年前から生きていて「何百何千という人間を殺しても私は許されている この千年 神も仏も見たことがない」と言い放つ。
再生能力がすさまじく、斬られても瞬時に再生。脳が5つ、心臓が7つあるが、それらをつぶされても、体を爆裂させて逃げることができる。攻撃力もすごく、体から「管」を何本も出して、鞭のように攻撃する。
弱点は、太陽の光と、藤の花と、珠世さんの薬だけ。
◆すごい攻防戦!
どちらもすごく強そうだが、両者が戦うと、どんな試合展開になるか?
それは、どこで戦うかが大きく影響するだろう。無限城で戦えば無惨が有利だし、DIOの邸で戦えばDIOが有利だ。
ここは、どちらにも利害のない中立地を探すべきではないか。たとえば福岡ドームとか……?
と、テキトーに書いてみたものの、これは案外よい思いつきかもしれない。
激戦が予想されるので、頑丈な屋内が望ましいし、とはいえ太陽の光が差さないと、この2人は延々と戦い続けてしまう。
福岡ドームの屋根は開閉式で、全開すると屋根の60%が開放される。屋根は開けたまま、深夜に対戦を始めて、日が昇るまでに勝負をつけてもらうことにしよう。もちろん無観客で。
舞台も福岡ドームに決まり、さあ、戦いのシミュレーション開始だ。
戦いが始まるなり、風をまいて襲いかかる無惨。体から鞭を何本も出してヒュンヒュン振るう。
それを真剣白刃取りで受けて「気化冷凍法」で凍らせるDIO。
ただし、DIOが人間の全身を凍らせるには、2秒かかるという。無惨がそんなにじっとしているはずはなく、鞭を凍らされても、次々に他の鞭で攻撃してくるだろう。DIOにとってはキリがない!
作中の描写を見ると、再生のスピードでは、無惨のほうが速そうだ。凍った鞭も瞬時に再生。
そこで、DIOは戦法を切り替えるだろう。そう、スタンドの「世界(ザ・ワールド)」を登場させるのだ。
「世界」は近接パワー型のスタンドで、「無駄無駄無駄無駄無駄」と叫びつつ、パンチのラッシュを浴びせる。
「スタンドは、スタンド使いにしか見えない」という特性があるから、無惨は目に見えない相手からボコボコに殴られる。
この千年、神にも仏にも会ったことがないという無惨だが、こんな面妖な敵にも会ったことはないはずだ。
ここが勝機とばかり、攻撃をたたみかけるDIO。
無惨の肉体はどんどん破壊されるが、瞬時にどんどん再生する。
また無惨は、目に見えないながらも、スタンドの存在を察知し、間合いを取りつつ、鞭で反撃を試みるだろう。
DIOは優勢に試合を運ぶものの、決定打に欠ける。
激しい戦いは続き、時間だけが過ぎていく――。
◆さあ、決着は!?
一進一退の攻防戦が続くうち、2人は「相手の弱点を突くしかない」と考え始めるだろう。
といっても、まさか無惨が波紋法を修行したり、DIOが珠世さんから薬を借りたりはしないだろうから、焦点は「太陽光」だ。
つまり、日が昇るまで戦い続け、太陽の光が射した瞬間に、相手だけにそれを浴びせる……!
気になるのは、日の出の時刻である。
たとえば、2022年1月1日の日の出時刻は、無惨の住む東京が6時50分、DIOが『ジョジョ』第3部で住んでいたカイロも現地時間で6時50分。なんとピッタリ同じ。
ところが、戦いの舞台である福岡は7時22分!
この時間のズレを把握していた者が有利だと思われるが……。
いや、DIOも無惨も、福岡の初日の出時間くらいシッカリ把握して、戦いに臨んでいるだろう。
すると、時を止められるDIOが有利かも!
日の出の1秒前に時間を止めて、無惨を朝日が当たる場所に運んで、自分は日陰に隠れればよいのだから。
時が動き出すと、無惨には太陽光が直撃することに……。
おお、DIOの勝利で決着か!?
と思ったが、無惨はここで奥の手を発動するのではないか。
そう、爆裂してたくさんの破片となり、日の当たらない場所で合体&復活する!
う~む、この2人の戦いはキリがない。
太陽がどんどん昇るなか、両者は相手を日に当てようとして、くんずほぐれつの肉弾戦に! 取っ組み合って、上になったり下になったり……。
そうこうしているうちに、DIOが無惨の首に噛みついた!
吸血鬼も鬼も、相手に噛みついて血や肉や生命を奪うのが本来の戦法だから、最後はこの基本に立ち返っても不思議はない。
――しかし、その結果どうなる?
DIOは血や生気を奪った相手をゾンビにして下僕にする。一方、無惨は血を与えた者を鬼にして絶対服従させる。
ということは、DIOが噛みつきに成功すると、無惨はDIOの下僕になってしまう!?
しかし、それによって無惨の血を与えられてしまったDIOは、無惨に絶対服従!?
いったいどうなるんだ、この戦い?
筆者が思うに、両者とも「おまえはおとなしく太陽の光を浴びろ」と命令して、両者ともおとなしく命令に従って、昇ってきた太陽に焼かれて消滅……とか!?
うーん、釈然としないけど、そうでもならない限り、DIOと無惨はいつまでも戦い続けると思う……。
――2021年は、こんなワタクシの身勝手な考察におつき合いいただき、ありがとうございました。
2022年も、さまざまなマンガやアニメや昔話などを楽しく空想科学していきたいと思います。
どうかよいお年をお迎えください。