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今日会社がなくなったらどうする?AI時代にそれでも食えるビジネスマンの危機管理

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

今日会社がなくなったら?AI時代にそれでも食えるビジネスマンの危機管理

今回はAI時代におけるビジネスマンの危機管理についてです。

「今日会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる」の著者石川和男さんに

お話を伺ってみました。

今日会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる (ビジネス書・自己啓発・ライフスタイル)
今日会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる (ビジネス書・自己啓発・ライフスタイル)

リアルドラゴン桜と言われた男スーパーサラリーマン石川和男さんはこんな人

偏差値30の高校卒業から夜間大学。簿記知識ゼロでの経理部後のニート生活から一念発起。現在、平日は建設会社役員。その他の時間を税理士、大学講師、時間管理コンサルタント、セミナー講師、ビジネス書著者と5つの副業をこなす。
自身の様々な経験や知識を活かしたビジネス書は次々にベストセラーとなり現代のサラリーマンバイブルとして人気。

今日会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる 著者/石川和男氏
今日会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる 著者/石川和男氏

ビジネスシーンからの危機管理

―まず今回AI時代のこれからについて書かれた本を出版されましたが、

本のタイトルが【今日会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる】そこに帯は【人からAIに変わっていく時代に・・・】と続いているじゃないですか。

まさにAIに自分の立場が乗っ取られるってこと?とついつい私の危機管理センサーが反応してしまいまして笑 この本は今のサラリーマンの方々に対する危機管理の警告ではないかと感じたのですが。

石川氏

そうですね。警告というか気づきのアドバイスというか。これからAIの発達により20年で9割の人が今の仕事と違う仕事していると言われています。そういう意味で自分は今の仕事のままで生活できるのか?という危機感がありますよね。

人間が利便性を求めたために進化し続けるAIですが、逆にAI時代になるからこそ、人の仕事が奪われていくことになります。そのことを今から頭に入れておき準備することで、世の中の流れが変わってもAIが得意とする分野ではない仕事ができる人こそ、しっかりと自分の仕事を持ち生き残れるということになりますよね。それにはAIの得意としている部分を把握する必要があります。

AI時代を生き残る為にはまずはAIの得意としていることを知る

AI の得意分野

1 データーを記憶する能力

2 24時間営業の持続力

3 最適化推測能力(膨大な情報から最適な解を導き出す)

特にこの3つの部分に関してAIは得意としていますので人間の持つ能力では敵いません。だからここ以外の能力を伸ばしていく必要があるのです。

――やっぱりAIは優秀ですね。24時間稼働できちゃうわけですから人間は敵わないのはわかります。

石川氏

そうですよ。でも、もちろん便利な社会になっていくためなので、私たちはうまく共存して快適に生活できれば問題ないわけです。そこで共存するためには人間、個人がAIに勝るものを伸ばしていく必要がありますよね。

――人間がAIに勝るもの??

石川氏

大きく挙げるとこの3つですね

人間がAIに勝る能力

1リーダーシップ(経営していく能力)

2専門的能力(プロフェッショナル)

3企画力、創造性(クリエティブ能力)

細かい説明はここでは省きましたが、これらの2つ以上はあるのが理想です。でもとりあえず、今のうちに1つでもその能力を磨いていけば今後生き残っていくための武器になると思います。

――確かに人と人とのつながりなどすべてをAIが管理できるわけじゃないですもんね。すべてAI管理だとターミネーターやマトリックスのような世界になってしまうかもしれないし。タイトルを見てまずここがよぎったもので。

石川氏

やっぱり、話し始めた瞬間からそんな想像をしている気がしていました・・・笑

今回書いている内容はあくまでも現実的に、今後AIが発展する世の中で共存しながら自分も快適に生きるために知っておいて欲しい内容です。特に難しいことではなく、今のビジネスシーンですぐに実践できることを伝えています。

――確かに、歴史の人物や誰もが知る有名人、そんな人達の心に響く名言を交えながら書かれているので想像しやすいというか、すっと頭に入りやすい内容だなと思いました。

特にクリエティブ能力を伸ばすための7つの発想については目からうろこでしたね。考え方や物の見方の角度を変えるだけで毎日の生活はもちろんですが企画書の書き方や仕事の発想も大きく変わりそうですよね。実は就活中の息子がいるので面接はもちろん、自分が検討する会社への向き合い方についても勉強になるので読ませたいと思っています。

石川氏

ありがとうございます!確かにそういう事なんですよ。これからの時代の流れに合わせて今できることから自分の能力を伸ばしていくのは難しくないです。少しずつでも変えていく、伸ばしていくが大切です。

――確かにAIのせいでは今日急に仕事がなくなるわけではないですものね。

シンプルだけど今、大事に向き合うこと

石川氏

結局AIができる仕事が増えて働けないってことは稼げない、稼げないと生きていけないという危機だからそれを回避するためには AI 時代になっても働く能力を今のうちに身につけておかなければならないとうシンプルかつ大事な話です。

――ではせっかくなのでシンプルに言うと、今どんなことが必要だと思いますか?資格を取るとかこんな勉強したらいいとか何か1つでもヒントみたいなのがあったら

石川氏

先に挙げた専門的能力で言ったら自分が何か人より特化したものにさらに磨きをかけるのは大事ですね。

例えば、本の中にもありますが、すべての職種にかかわる事でビジネスにおいて会計の大切さについてはいつも発信しています。私のセミナーでもこの会計知識がいかにすべての職種に大切かは必ず伝えるのですが、会計は基礎があるだけでも仕事の見方から日常の新聞の見方、大きく言うと世の中の流れの見方が変わるのでちょっと知っているだけで全然違います。それだけでも本当にお勧めです。

この会計の知識を伸ばすことはかなりお勧めなのでここを例に話しましょう。

会計と言っても計算はAIができるじゃないかと思う方も多いと思いますが、会計は一方向ではありません。税理士とのやりとり、原価、利益、損失、資産、費用、細かい理解ができていないと計算が出てもどうにもなりません。数字があってもその流れや理解力が必要。これだけでも大きいスキルですよね。

そこに例えば追加で英語の専門知識を伸ばしましょう。英語が得意な人は多いですしAIももちろん英語ができる。だけれどもそこに会計の英語知識として先ほどの全体の流れや理解力があるとします。細かい考え方や人とのやり取りの部分でのニュアンスなどはAIでは伝わらない。

企業の会計は数字だけではなく取引先とのやり取りでも繊細な内容を知ることが必要になってきたり数字だけではない考え方を知る必要がある場合があります。人対人なのですから当たり前ですよね。この2つが組み合わさった場合、【外資系の企業などで細かい内容に対応できニュアンスが伝わり潤滑に仕事を勧められる人】という唯一無二の存在になれると思いませんか?これは一例ですがそういった考え方で生き抜く方法を見つけていくのです。

また例えばタクシーもしばらく後は無人化と言われていますけど、この高齢化社会で介助が必要な人が乗る場合を加味すると、100%無人化になるかというのもちょっと考えられない。もしくはそのタクシーに乗る人の横には必ず介助の人が寄り添うわけですし。そうした時に高齢者用の運転ドライバーの仕事をする人が出てくるとします。

人が働くからには取りまとめる人も必要。様々な案件やハプニングなども想定する中で、その中で求められるのはAIのような分析能力ではありません。

円滑に対応できる人。人から頼られ、まとめることができる、そして働いている人達の仕事を効率よく増やして生活しやすい環境を作ってあげることができるようなリーダーシップ能力がある人が必要になります。そしてその頃には運や年功序列だけで人の上には立てません。AIに使われずAIをうまく使いながら人を取りまとめていける人が生き残るのです。

人と人のコミュニケーションはすべてに共通する

石川氏

今までの例の中ですべてに共通するAIにはない必要なことがあるのにお気づきですか?

――え?何でしょうか

石川氏

コミュニケーション能力です。いくらAIが発展しても人と人とのつながりのコミュニケーション能力はどうすることもできないので、ちゃんと磨いておくべきだと思います。AIには「心のこもった真似事」や、「相手が求めている回答」は出来るかもしれませんが「本当の心のある対応」はやっぱり最後は人と人ですからね。

――なるほどやっぱりAIが進化してもやはり人ですよね。コロナ過でコミュ不足になりがちですが、もっといろいろな形でコミュニケーションを大切にしていきたいと改めて思いました。では最後にこれからの時代に向けてアドバイスを一言お願いします

現代の宝島で自分を磨く

石川氏

はい、色々発展している世の中で現代の宝島の様な場所があるのですがどこかわかりますか?

―えっ最後に質問??

石川氏

いえいえ、答えを言いますとそれは書店です。

AI時代でも人間の知識や考え方、想像力を膨らませていくことができる簡単なツールとして本があります。わからない事や欲しい内容、本を読めば答えやヒントが見つかる。

もちろん電子書籍も素晴らしいですが、実際にリアルに手に取って自分の必要な情報を探し考えて自分の必要な情報を持ち帰り読む。そんなリアルな行動や読書は必ずAI時代の糧になると思います。

ぜひ皆さんにもSNSで情報を得るだけではなく読書をする機会も増やしていただけたらと思っています。

ーなるほど、さすがビジネス書ベストセラー作家の言葉は深いです。確かに本は手元にあると思い出した時にもすぐ手に取りぺージを開いて情報が入る、思い出せる、部屋に置いてあると見出しがいつも目に入る、そんなリアルがありますよね。それに何より書店で自分に合った本を探すのはワクワクします。私も今以上に本屋に立ち寄って色々自分の宝物を探してみたいと思います。石川さんありがとうございました!

参考図書
今日会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる
会社に頼らない生き方を身につけよう
~人からAIに変わっていく時代個人の能力がより重要視される~

 著者 石川和男/明日香出版社 インタビュー協力 石川和男

総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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