森友公文書改ざんで自死 妻の再調査要望に賛同30万人突破!
森友事件の公文書改ざんを上司から強要され命を絶った財務省近畿財務局の上席国有財産管理官、赤木俊夫さん(享年54)。
その真相解明のため妻の昌子さん(仮名)が国に再調査を求めたところ、きょう4月17日午前9時すぎ、賛同者が30万人を突破した。開始からわずか22日間での達成だ。
赤木昌子さんの呼びかけは、性暴力被害者への支援など様々なキャンペーンについてインターネット上で賛同の署名を募るサイトとして有名なChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)上で、3月27日から行われた。
「私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい!」
その呼びかけに賛同者が殺到。開始から2日足らずで15万人を突破した。これは、あまたの賛同者募集を扱っているChange.orgの日本で行われたキャンペーン・署名で、これまでで最も多く最も速かった。その後も賛同者は増え続け、きょう17日朝9時前にあと1人の29万9999人に到達。9時過ぎに30万人を突破した。呼びかけ開始からわずか22日間での達成だ。
「次は安倍首相の”あの”動画を超える35万人をめざす」
昌子さんは自宅で朝早くから「まだか、まだか」と待ちわびてネット上の画面を見つめていた。ついに30万人を超えた時、昌子さんから喜びのLINEが届いた。
「安倍首相 麻生大臣
30万人の気持ちと夫の命を軽く扱わず重く受け取ってください。
逃げないで第三者による再調査を受けてください。
次は安倍首相の動画の『いいね』を超える35万人を目標に頑張ります。」
最後の言葉は言うまでもない。安倍首相が12日に歌手で俳優の星野源さんが歌う「うちで踊ろう」とのコラボ動画をツイッターで配信し、批判が殺到して“炎上”したことについて、菅官房長官が定例会見で「過去最高の35万を超える『いいね』を頂いている」と述べたことへの痛烈な皮肉だ。
安倍首相のコロナ動画が35万人の支持を集めたというなら、私はそれを超える賛同を集めて再調査を求めよう、という決意表明だ。
ここに赤木昌子さんのネット上での呼びかけを全文再掲する。
赤木俊夫さんの妻が訴える真相解明「二度と夫のような方が現れないように」
私の夫、赤木俊夫は2018月3月7日に自死しました。
私は夫の自死によって体の半分をもぎ取られたような苦痛を受けました。その苦痛は今も続いています。
優しかった夫がなぜ自死に追い込まれたのか、私には知る権利がありますし、知る義務があると思います。
財務省は2018年6月4日に「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」を発表しました。しかし、この報告書の内容は曖昧で、なぜ夫が自死に追い込まれたのか、その経緯や原因を知ることはできません。
私は、発表から4か月もたった後、この報告書を作成した職員から説明を受けました。その職員の方は、夫が遺した手記や遺書を読まずに報告書を作成したと仰っていました。しかし、夫の手記や遺書を読まずに作った報告書に信用性は無いと思います。
私は、2018年10月以降、佐川宣寿さん(改ざん当時の財務省理財局長)に対して3回、決裁文書の改ざんを指示した経緯に関する説明と謝罪をお願いしました。しかし返答はありませんでした。
夫の自死は公務災害と認められましたが、自死に追い込まれた理由を知りたくて情報開示請求をしても、資料の大部分は真っ黒にマスキングされていました。
やむを得ず、私は、2020年3月18日、夫がなぜ自死に追い込まれなければならなかったのか、その原因と経緯を明らかにするため、国と佐川宣寿さんを被告とする民事訴訟を提起しました。
しかし、国や佐川宣寿さんが民事訴訟で私の請求をそのまま認めてしまえば、真相解明のための証人尋問や、夫が作成したとされるファイルについての文書提出命令の機会も与えられず、民事訴訟が終わってしまう可能性もあります。
また、民事訴訟提起後の報道によると、安倍総理や麻生財務大臣は再調査はしないと仰っています。私は「この2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場ではないと思います」というメモを発表しましたが、それでも再調査が実施される見通しは現在のところありません。
このままでは夫の死が無駄になってしまいます。
そこで、有識者や専門家(弁護士、大学教授、精神科産業医など)によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい。
地方自治体や民間企業では、過労自殺が発生した多くのケースにおいて、第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施しています。
決裁文書の改ざんはなぜ行われたのか、誰のどのような指示に基づいて夫はどのような改ざんを行わざるを得なかったのか、改ざんにかかわった人達はどのような発言をして何を思ったのか、改ざんによる自責の念に苦しんでいた夫に対して財務省や近畿財務局は支援ができなかったのか、うつ病で休職していた夫をフォロー出来なかったのかなど、夫がなぜ自死に追い込まれなければならなかったのか、その原因と経緯が明らかになることを私は心から望んでいます。そして、夫もきっとそのことを望んでいると思います。
夫と同じように文書改ざんに多かれ少なかれ関与した職員や、改ざんに関与した職員でなくても現場で詳細を知っている職員がおられます。上司の内部調査では言えない方もかなりおられると聞いていました。
公文書改ざんは「あってはならない」と安倍総理や麻生財務大臣が仰るのであれば、二度と夫のような方が現れないためには真実を解明することが、二度と「あってはならない」為の再発防止策であると考えています。
二度と夫のような方が現れないように、どうか皆様の力を貸してください。宜しくお願い致します。
この呼びかけへの賛同は以下のサイトで募集している。#赤木さんを忘れない
【執筆・相澤冬樹】