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リーチ マイケルは「防げるペナルティ」反省 日本代表がポルトガル代表に苦戦【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真提供:日本ラグビーフットボール協会

 ラグビー日本代表は現地時間11月13日、敵地エスタディオ・シダーデ・デ・コインブラでポルトガル代表に38―25で勝った。

 今年のテストマッチ初白星を飾ったが、世界ランクで下回る相手に一時は勝ち越されるなど苦戦。与えたペナルティキックは相手よりも8つ多い15と、規律面に課題が残った(フリーキックは除く)。

 試合後、前キャプテンのリーチ マイケルが中野将伍とともに会見。ブラインドサイドフランカーとして先発のリーチは、後半3分に危険なプレーで10分間の一時退場処分を受けていた。

 この日アウトサイドセンター代表デビューの中野は、テストマッチ初トライを決めるなど躍動した。リーチは中野の活躍を称えながら、日本代表の好調時とそうでない時について聞かれて見解を示した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——反則が多かった。

「僕は試合中、ペナルティのタイプがあまりわかっていなくて、試合中に『ペナルティをなくそう』というコールを出して、そこからペナルティが少なくなりました。でも、防げたペナルティは何個かあった。レビューで見直さなきゃいけないと思います。きょうはタイトな試合になると予想していて、ポルトガルの人間性というか、プライドを持って戦ってくることは予想していた。(チームの)よかったところは明確なコール、コネクトを続けられたこと。きょうは中村亮土キャプテンが、チームを前に引っ張ってくれたと思います」

——レフリーとのコミュニケーションは。

「亮土は英語力があるんで、(レフリーの言葉を)通訳することはそんなになかった。ただ、レフリーからの注意だけをチームに伝えました。ファウルプレーが何個か続いて『次、出たらカードを出します』と、注意されました」

——自身がカードをもらって、復帰してから。

「まったく保守的になるというメンタルはなくて、チームがその間ペナルティを続けていたので、ペナルティをしないようにというコールが出て、ブレイクダウンには入らない。タックルはすぐにロールアウェー。ただ、保守的にはなっていない。保守的になると、勝てない」

——試合終盤にも6点差に迫られ、負ける可能性もあった。

「久々にそういうタイトな試合をした。リーダー陣は成長できたと思います。全員が厳しい時間帯に何をすべきか、理解してできた。そこに関してはよかったと思います」

——日本代表がうまく行っている時と停滞している時との違いは。

「面白い質問ですね…。ゴールが明確で、チームのコネクトができている時はうまく行っている。そこがない時は、ちょっと苦戦するころもある。ただ、いまはチームのコネクトもよくなっていて、先週(試合前)の準備では亮土が日本代表の意志について話してきていて、より一体感が出たと思います。先週の準備は、今年、1番、よくできたと思います。新しいメンバーが集まるなかでも、いい準備ができたと思います」

——今日の内容を、次の勝利にどうつなげるか。

「きょうの試合で反省点は出てくると思うんですけど、勝ったことは日本代表には大きい。タイトなゲームで乗り切ったことはプラス。新しい選手も経験できて、将伍も躍動感を持ってプレーしていたから。次、将伍のプレーを見るのは楽しみです。チームは成長の波に乗っている。次もいい準備をして、勝って帰りたいです」

 予定時間が終わりに近づくと、オンライン会見の画面上で「いま何時ですか? 日本は」とリーチ。日本時間が4時50分頃だったと知ると、「お疲れ様でした。おやすみ!」と手を振った。想像力の人。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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