原口選手が1年4か月ぶりの鳴尾浜で3打数3安打2打点!《8/15 阪神ファーム 》
きのう15日は早朝にかけて降ったり止んだりした雨の影響で、甲子園球場の高校野球は早々に順延が発表されました。鳴尾浜のウエスタン・オリックス戦はどうなんだろう?現時点で雨は降っていないけど…と微妙な状況。でも練習が始まってからスタンドに続々とお客様が来られ、開始前に大入り満員!その入場制限は試合中も続いたため、後半にやっと入れた方もいらっしゃったようです。糸井嘉男選手の実戦復帰が報じられていたこともあるんでしょうね。
鳴尾浜で行われる試合は6日ぶりで、お盆休みの締めに観戦しようという方や、高校野球を見に来たけど中止なので鳴尾浜へという方もあり、普段とは違う“新鮮な反応”が見られました。それにしても、蒸し暑かったですねえ!日差しがなくてラッキーと思ったら、恐ろしいほどの湿度で…。選手たちの顔には滝のような汗が流れ、試合後はグッタリしていたように思います。終盤は雨も降ってきて、さらに延長戦突入と、我々もグッタリでした。
なお、この日は1軍から原口文仁選手と北條史也選手が出場。原口選手が鳴尾浜の打席に立つのは、昨年4月27日に支配下登録されて1軍へ行ってから初めてのこと。最後はその前日、昨年4月26日に行われた履正社学園との交流試合以来です。この試合は22対0という大差だったため、4番キャッチャー(途中からDH)で出場した原口選手は計7打席に立って二塁打2本と四球2つ、犠飛1本で4打数2安打4打点という内容。
そしてウエスタン公式戦でいえば、同24日のソフトバンク戦(タマスタ)以来、鳴尾浜では同14日のソフトバンク戦以来なので、やはり約1年4か月ぶりということになります。朝6時半に起きて訪れた鳴尾浜は、どんなふうに原口選手を迎えてくれたんでしょうね。そんな中で立った3打席すべてにヒットを放ち、5回には逆転のタイムリー三塁打で打点も2といい結果を残して京セラドームへ向かいました。コメントは最後にご紹介します。
《ウエスタン公式戦》8月15日
阪神-オリックス 24回戦 (鳴尾浜)
オリ 120 001 000 0= 4
阪神 011 020 000 0= 4
※延長10回 規定により引き分け
◆バッテリー
【阪神】福永-山瀬-山本-伊藤和 / 長坂-小宮山(7回~)
【オリ】山崎福(4回2/3)-高木(1/3回)-赤間(1回)-ウエスト(0/3回)-比嘉(1回)-佐藤達(1回)-澤田(1回)-榊原(1回) / 伏見
◆本塁打 糸井1号ソロ(山崎福)
◆三塁打 宗、原口
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]中:江越 (6-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .131
2]右:糸井 (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .333
〃右:緒方 (1-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .234
3]左:キャン (3-1-0 / 1-2 / 0 / 0) .290
4]三:陽川 (5-2-0 / 3-0 / 0 / 0) .266
5]一:原口 (3-3-2 / 0-0 / 0 / 0)1.000
〃一:今成 (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .221
6]指:新井 (3-0-0 / 0-2 / 0 / 0) .303
〃走指:荒木 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .293
7]遊:北條 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .275
〃二:板山 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .181
8]捕:長坂 (2-0-1 / 1-0 / 0 / 0) .159
〃捕:小宮山 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .172
〃打:狩野 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .264
9]二遊:植田 (4-2-0 / 1-0 / 0 / 1) .218
〃打:西田 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .225
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
青柳 5回 77球 (5-6-3 / 3-3 / 3.51) 149
柳瀬 1回 22球 (3-1-0 / 1-1 / 1.75) 146
山本 1回 14球 (0-0-2 / 0-0 / 3.00) 137
伊藤和 3回 37球 (0-5-0 / 0-0 / 0.53) 146
《試合経過》
先発の福永は1回、先頭の宮崎を空振り三振に切って取りますが、岩崎に四球を与えたあと3番・宗の右中間三塁打を浴び、1点を失いました。2回には右前打された先頭の伏見を暴投2つで三塁へ進め、園部への四球に続いて8番・小田の中前タイムリー。さらに犠打で1死二、三塁として宮崎のタイムリー内野安打で3点目を奪われます。
打線は2回、先頭の原口が左前打し、新井の四球と北條の遊ゴロ(二塁はセーフ)で1死三塁となって長坂の右犠飛で1点。3回は立ち直った福永が4番からを三者凡退に!するとその裏、2死から糸井が右中間へソロホームランを放ち、1点差に迫りました。4回は先頭を味方のエラーで出した福永ですが後続を2三振などで断って無失点。その裏は原口の左前打と北條の右前打などで1死一、三塁としながら得点のなかった打線。
しかし5回は先頭・岩崎にバントヒットと盗塁を許したものの、また2三振を奪って抑えた福永を援護しています。2死からキャンベルが左前打、陽川は中前打で一、三塁として原口が右中間へ大きな当たり!センターの頭上を越え、フェンスで跳ね返った打球をライトが捕ってサードへ投げるも、原口は先に三塁へ到達。スタンディングトリプルでした。これで2人が還り4対3と逆転。投手も交代させています。
ところが6回、柳瀬は伏見と坂本の右前打などで2死一、三塁として宮崎に左前タイムリーを浴び、4対4。7回は山本が2四死球を与えながら0点に抑え、その裏は緒方の四球と陽川の左前打が出るも得点なし。8回は伊藤和が3連続三振とピシャリ!打線は2死から植田が渋い中前打を放ちましたが、そこまで。9回も伊藤和が三者凡退に切って取り、打線も先頭の緒方が内野安打でサヨナラの走者を出した、と思ったら…3連続三振を奪われて緒方は一塁のまま。延長戦に突入です。
雨で傘を開いたり閉じたりしながら見ていた10回、ここも伊藤和が続投。2奪三振の三者凡退で締め、阪神の負けはなくなりました。最後の攻撃は先頭の新井が四球を選び、板山の犠打で代打の荒木は二塁へ。代打・狩野が遊ゴロ、代打・西田は四球で2死一、三塁としたものの江越が3球三振に倒れて試合終了です。
3年ぶりの公式戦3イニングを完全!
伊藤和雄投手は7月26日のウエスタン・広島戦(由宇)でサヨナラ負けを喫して以来、7月28日から8月15日までの5試合(8イニング)が無失点で、計1安打のみという完ぺきなリリーフを見せています。昨年の桑原投手みたいですね。しかも、きのう15日同点の最後で延長10回までの3イニングですから、本当にあっぱれです。
ところで伊藤和投手が3イニングも投げるのって、いつ以来だろう?最近の公式戦では見ていないなあと思って調べてみたら、ものすごく久しぶりでした。1軍の試合が最後ですね。2014年5月1日の広島戦(甲子園)で6回から3イニングを投げ無失点。打者9人に対して1安打3三振0四死球という内容です。ファームの方は非公式戦で何度かありますが、公式戦だと2013年5月19日の広島戦(上富田)で最後の3イニングを投げて以来。
伊藤和投手は「長いイニングですけど、打者一人一人を抑えることに集中していました。球速が出ていればいいというわけではないですが、それで空振りやファウルを取れているのはいいことだと思う」と話しています。久保康生投手コーチも「和雄は素晴らしかった!素晴らしかったから、もう1イニング行くか?と言いました。見事だったね!」と大絶賛でした。
なお先発の福永春吾投手について、久保投手コーチは「コントロールですね。上半身と下半身のバランスが合っていない。左足の着地のところにリリースがないから、どうしても合わない。着地にリリースが来ると、ボールは向かっていくもんなんだけどね。決まる時はあっても、それが続かない。そのへんの精度がね」とコメント。福永投手本人も「反省点はコントロールです。1人目(初回の先頭打者)はよかったんですけど。バランスは2回が噛み合っていなかったと思います。3回以降はしっかり腕を振ろうと、少し変えました」とのこと。
1軍昇格後初の鳴尾浜で収穫あり
最後は原口文仁選手です。3打席の予定だったため、5回裏が終わったところで交代し、同じく3打席目を6回に終えた北條選手(結果は3打数1安打)を待って、京セラドームへ向かいました。その際に少し話を聞けたのご紹介します。まず、久しぶりの鳴尾浜とファームのゲームはどうだったかと聞いたら「結構プレッシャーがあった」と言います。打てなかったら…という思いも、きっと胸をよぎったでしょうね。
「でも、しっかり打てたのでよかったです。けさ掛布監督に1つアドバイスしてもらって、それがいい結果になった。左腰が、左ひざと一緒に回って開いてしまう。腰を我慢しなくちゃいけないと言われて、それを意識したらよくなった。全然違いました。いい感じで打てた。(1軍でピッチャーの)球がさらに速くなっても続けられるように、また意識しながらやります」
それを試合後の掛布監督に伝えたところ「前の、左の腰が開いちゃうというかローリングしていたので、そこを言いました。意識して打てたって?そう。それはよかった。1軍でどうかはわからないけど、きょうのヒットは3本とも内容がよかったですよ」とのこと。なおナイターの1軍戦で代打出場した原口選手は初球を打って三ゴロで「肩が開いてしまった。腰が早く回ると肩が開くんですよね」と反省していました。
きのうの原口選手は、久々のスタメンで約束された3打席と、代打での1打席、その違いを改めて感じたかもしれません。ましてや今、彼がいるところは1軍です。藤浪投手や秋山投手、さらには糸井選手と昇格を控える選手が続く中で、生き残っていけるかどうかの正念場。もしファームへ来ることになったとしても、それは後退ではなく前進するための切り返しです。次は、もっと大きくて強い原口選手が見られるでしょう。
というのが、取り越し苦労で終わりますように―。