亀田和毅が再起宣言「この敗戦を経験に再び世界王者になります」
7月13日(日本時間14日)、アメリカのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで、WBCスーパーバンタム級の統一戦が行われた。
暫定王者の亀田和毅(28=協栄ジム)が、正規王者レイ・バルガス(28=メキシコ)と対戦し、3-0の判定で敗れた。
バルガスが身長差を活かす
今回の試合は、屋外にあるスタジアムで行われた。入場してまず目についたのは、2人の体格差だ。
和毅もこの階級では長身だが、8センチ上回るバルガスは、頭ひとつ大きかった。
試合が始まると、距離を取って戦うバルガス、前に出る和毅、という構図となった。
長身のバルガスは、足を使うだけでなく、非常にアグレッシブで 攻勢的なスタイルだ。
和毅が前に出て攻めてくるため、距離を活かして戦うスタイルだった。
序盤は一進一退の攻防で、和毅のパンチも当たっていた。
しかし、中盤に入ると、バルガスが距離を掴んだのか、徐々に主導権を握っていく。
和毅も一発を狙ってパンチを振っていくが、当たらない。
バルガスは、上下左右にパンチを打ち分けポイントを積み重ねていく。
和毅ももっと前に出たいところだが、中に入ろうとするとバルガスがアッパーを見せてきた。
縦のパンチを打たれると、入るときにガードが空いてしまうため、うかつに入れない。
中盤から後半にかけて、和毅もギアを上げて、積極的に前に出ていくが、接近戦では巧みなクリンチに阻まれ、攻撃を止められていた。
バルガスが、危なげない試合運びで、ペースを握りコントロールしていった。
ラストラウンドでは、和毅も強引に攻めていくが、バルガスに足を使われ逃げられた。
採点では、3者ともに117-110で、バルガスを支持。
WBCのスーパーバンタム級の王座を統一した。
試合のポイント
今回の試合では、バルガスに間合いを支配されてしまった。序盤は和毅がプレスを強めたため、いきなりの右も当たった。
だが、一旦間が空くと、バルガスが長いリーチを活かしてポイントを積み重ねていった。
和毅も、効いたパンチはなかった様子だが、有効打ではバルガスが上回った。
バルガスは、チャンピオンになってから判定での勝利が多く、消極的な姿勢に観客からはブーイングもあった。
だが、パンチを出すタイミングやフェイント、接近戦でのクリンチワークなども含めて、老獪なテクニックで勝利を掴んだ。
和毅の再起宣言
試合の勝者には、挑戦者決定戦に勝利したギジェルモ・リゴンドー(キューバ)との対戦が義務付けられている。
38歳になるリゴンドーだが、元WBA・WBO世界スーパーバンタム級統一王者で五輪2連覇の偉業を成し遂げたその実力は侮れない。
また試合会場には、WBA &IBF統一王者のダニエル・ローマン(アメリカ)も足を運んでいた。
統一戦に進むのか、それともリゴンドーを相手に防衛戦をするのか、注目が集まる。
和毅は試合後のインタビューに、流暢なスペイン語で答え、
「この敗戦を経験に再び世界王者になります」と再起を誓った。
後日、本人のコメントで
「今回の試合に向けて、4ヶ月間できること全てやりました。
準備は万全の状態で、リングに上がりました。12Rやりたいこと全てをやりきりました。
結果はでなかったけど、この負けをバネにしてもう一回這い上がっていきます」
と話し、「自分はどんな相手でも逃げない」と語った。
この階級は、日本人選手もランキング上位につけているので、国内ライバル達との試合も見たいところだ。
負けが選手を強くさせるので、もう一花咲かせて欲しい。
まだ、28歳と若く、ボクサーとしてもこれからという時だ。亀田一家の最終兵器、亀田和毅の戦いは続いていく。