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ビッグマッチが動き出す 井上尚弥の発言で中谷潤人との夢の対決が急加速

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

井上尚弥が21日、WOWOWスタジオで収録された「井上尚弥出演! エキサイトマッチSP」の後に取材に応じた。

井上の次戦は

今年3試合を予定している井上は、来年も同様に3試合を望んでいる。通常、世界戦では試合の調整やマッチメイクの影響で年間2試合が一般的だ。

井上はここにきてハイペースで試合を進めている。次の相手は12月にWBO・IBF同級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)との一戦が予定されている。

26歳で19戦全勝(8KO)の無敗のボクサーだが、井上との比較ではやや力不足に感じられる。その試合に勝てば、次は元王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名戦が有力視されている。

中谷潤人について

そして、次の対戦候補として浮上しているのが、世界3階級王者の中谷潤人だ。

中谷は10月の試合で同級1位のペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)を6回TKOで下し、2度目の防衛に成功している。中谷は試合後のインタビューで「(井上とは)階級が違うが、1階級しか離れていない。スーパーバンタム級でも自分の実力は通用する」と語った。

井上も中谷について「やっぱり強いと思った。だからこそ興味が出てきた。パウンド・フォー・パウンド1位を目指している若者がいるなら、待とうかな」と発言しており、中谷を意識していることを示した。

高長身で減量が厳しい中谷が階級を上げるのは時間の問題であり、井上も来年のフェザー級転向を否定しているため、両者の対戦が現実味を帯びてきた。

対戦の可能性は

現在、井上はPFPランキングで2位、中谷は9位に位置しており、対戦が決まれば世界的にも注目されるビッグマッチになるだろう。

ボクシングは階級のスポーツのため対戦が望まれるカードがあっても、階級の壁で実現がしないケースが多々ある。

井上がフェザー級に転向する前に中谷が階級を上げれば、対戦する可能性は大いにあるだろう。タイミング的には、来年中盤から年末あたりとなるだろうか。

もちろん両選手が怪我なく順調に勝ち進むことが前提となる。両者ともに無敗で、世界的な評価も非常に高い。試合が決まれば、日本ボクシング史上最高の一戦となるだろう。

待ち望むファンが多いこの一戦の実現に期待したい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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