ボン・ジョヴィ、ブラピ、カイル・マクラクラン。セレブが作る優秀ワイン
ボン・ジョヴィ、ブラッド・ピット、カイル・マクラクランに共通するものは何?答は、自分のワインを作っていることだ。それも、ワイン専門誌から高く評価される優れたクオリティのものを、である。
ワインとハリウッドのつながりは昔からあり、たとえばフランシス・フォード・コッポラやフェス・パーカーのワイナリーは、長年にわたって成長を遂げてきた。そんな中、今年、新たに参入したのが、ボン・ジョヴィだ。彼が長男のジェシーと共にリリースしたのは、「Diving Into Hampton Water」(https://hamptonwaterwine.com)という、南フランス産のロゼワイン。この初ビンテージは、「Wine Spectator」誌から90点を獲得した上、同雑誌が12月に毎年発表する「今年の100本」にランク入りするという快挙を果たした。普段飲み向けのロゼとあり、25ドルというお手頃な値段も魅力だ。日本にも一時、限定で輸入されたが、すでに売り切れている。
現在離婚騒動のまっただなかにあるブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが作るのも、南フランスのロゼだ。名前はChateau Miraval。2013年に初リリースされた時には5時間で完売し、「Wine Spectator」の100本にも食い込んだ。最新のビンテージも、「Wine Enthusiast」誌から91点をもらうなど安定した評価を保っているが、今ではスーパーでも簡単に入手できるようになり、時にセールになったりもしている。また、離婚にまつわる親権争いで、今やピットは完全に禁酒しているので、もはや彼が愛飲するワインとは呼べなくなった。
「ツイン・ピークス」のクーパー捜査官ことカイル・マクラクランや、カート・ラッセルは、地元でワイン作りに励む。ワシントン州ヤキマ出身のマクラクランは、2005年からワラワラ・バレーのダーナム・ワイナリーとパートナーシップを組み、「Pursued by Bear」(http://www.pursuedbybearwine.com)のレーベルでカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ロゼを作ってきた。最新ビンテージのカベルネは「Wine Spectator」から92点を獲得。一方、ラッセルのワインが生まれるのは、家族と住むL.A.からほど近いサンタバーバラだ。彼のレーベルは「GoGi」(http://gogiwines.com)で、シャルドネの名前が、長年の私生活のパートナー、ゴールディ・ホーンにちなんで「Goldie」というのも、心憎い。このビジネスに参入する直接のきっかけとなったのは、クエンティン・タランティーノ監督の「デス・プルーフ in グラインドハウス」のロケ。撮影中、このエリアで作られるワインの優秀さに目覚めた彼は、この地で長いことワインを作ってきた旧友フェス・パーカーにノウハウを教えてもらったのだという。マクラクランも、ラッセルも、生産数は多くないが、レストランでの特別ワインディナーやワインショップでのテイスティングなどのイベントに積極的に出席し、ワイン通の間で知名度を高めている。
また、ニュージーランド出身のサム・ニールは、ニュージーランド南島のオタゴでピノ・ノワールを作る。最初にブドウを植えたのは1993年で、初のビンテージは1997年。ワイナリーの名前はTwo Paddocks(https://www.twopaddocks.com)。2年連続で「Wine Spectator」から95点を獲得するなど、クオリティには定評がある。
ほかにも、ドリュー・バリモア、ジョン・レジェンド、スティングなどが自分のワインを持っているが、意外なのはトランプだ。
マクドナルドが大好きでステーキはウエルダンを注文する、グルメとはほど遠いトランプは、兄フレッドがアルコール依存症で亡くなったことがきっかけで、酒を飲まない。しかし、何にでも手を出したがる性格から、ヴァージニア州にTrump Wineryを構えている。社長は息子エリック。スパークリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ロゼ、カベルネ、デザートワインなど幅広く展開し、中には「金メダル受賞」と書かれたものもあるが、どこから得たメダルなのかは不明。ギフトパッケージもいくつも取り揃えてあるので、このホリデーシーズン、パーティの罰ゲーム賞品としていかがだろうか。