北朝鮮が準中距離弾道ミサイルを発射。北極星2?
2月27日午前7時51分ごろ、北朝鮮の西岸付近から弾道ミサイルが発射されました。発射場所は韓国軍の観測で平壌の順安付近、飛行数値は日本自衛隊の観測で最大高度600km、水平距離300kmでした。
この飛び方はロフテッド軌道(高く打ち上げる山なりの弾道)です。過去の北朝鮮ミサイル発射例で一番近い飛び方のものは固体燃料式の準中距離弾道ミサイル「北極星2」です。
- 高度600km、距離300km 不明(2022年2月27日) ← New
- 高度550km、距離500km 北極星2(2017年2月13日)
- 高度500km、距離560km 北極星2(2017年5月21日)
これらはロフテッド軌道で飛んでいますが、通常軌道で飛ばした場合を想定すると最大射程1200kmくらいの飛行性能になります。これは北朝鮮が日本攻撃用に実戦配備している液体燃料式の準中距離弾道ミサイル「ノドン」と同程度の飛距離です。
ロフテッド軌道で飛んでいるのは通常軌道で発射すると日本列島に着弾して危ないので、試験発射で安全性を確保するためだと思われます。もし今回のミサイルが北極星2だった場合、発射理由は「検収射撃」という性能点検目的だと考えられます。
なお北極星2は2017年5月21日の試験発射でオンボードカメラを積み込んで地球を撮影していますので、今回も撮影しているかもしれません。
追記。翌日の発表:北朝鮮が偵察衛星の開発と称して地球を記念撮影(2022年2月28日) ※打ち上げ機は未発表
北極星2以外の可能性については、準中距離級の新型ミサイルにしては飛び方が普通すぎますし、旧型のノドンは改めて発射する理由もほとんどないので、可能性は低いと思われます。
北朝鮮・順安から300km(ロフテッド)、1200km(通常)
これで北朝鮮は2022年に入って今回で8回のミサイル発射を行い、ミサイル発射総数は合計12発となりました。
- 1月05日朝 第1号 極超音速ミサイル
- 1月11日朝 第2号 極超音速ミサイル
- 1月14日夕 第3号、4号 鉄道型イスカンデル
- 1月17日朝 第5号、6号 北朝鮮版ATACMS
- 1月25日朝 第7号、8号 新型巡航ミサイル
- 1月27日朝 第9号、10号 車両型イスカンデル
- 1月30日朝 第11号 火星12中距離弾道ミサイル
- 2月27日朝 第12号 不明、準中距離級 ← New