逮捕された世界ヘビー級4位
16戦全勝15KOでWBO4位、IBF5位、WBC6位、WBA12位にランクされているヘビー級のジャレッド・アンダーソン(24)。2017年、2018年とアマチュア全米王者となった姿をボブ・アラムに認められ、TOP RANKと契約してプロに転向した。
白星を重ねながらWBCヘビー級王者、タイソン・フューリーのスパーリング・パートナーにも抜擢され、アラムの気が変わらなければ近い将来、ヘビー級タイトルに挑める筈だった。が、2月末日、ミシガン州ヒューロンタウンシップで逮捕された。警察への公務執行妨害によるものである。
アンダーソンは現在、ヒューロンタウンシップで拘留されているが、現時点ではまだ、起訴はされていない。
ESPNがTOP RANKに取材を求めたものの、同社はコメントを拒否したそうだ。アンダーソンは、4月13日にテキサス州コーパスクリスティで行われる興行に出場予定だ。そして、ESPNで放送されることとなっているが…。
オハイオ州トレド在住のアンダーソンは昨年11月にも同州で逮捕された。酒気帯び運転しながら銃器を扱ったり、アルコールや薬物摂取した状態で車両を運転したりと、問題を起こしがちな男である。
昨年末、アンダーソンには200ドルの罰金と、180日間の執行猶予付きの判決が言い渡された。1年以内に同様の罪を犯さないことを前提とした寛大な処置だった。しかし、まるで反省の色は見られない。
執行猶予が裏目に出たとしか表現の仕様がない。2023年7月、アンダーソンは元ヘビー級王者のチャールズ・マーティンに判定で勝利を収めている。しかし、第5ラウンドにマーティンの左を喰らい、あわやダウンという状態に陥った。
ご存知のように、ボブ・アラムはハーバード大学院のロースクールで学んだバリバリの法律家である。自分の持ち駒が過ちを犯した際、いかに法を駆使すれば逃げ道を用意できるかを熟知している。またプロモーターとしても、好む若手は徹底的に庇護する。
アンダーソンはアラムの力があるからこそ、世界ランカーになれた男だ。ボクサーとしての実力はマーティンによってクエスチョンマークをつけられたが、人間としての本当の姿も現すようになってきた。
やはり、メッキは簡単に剝がれるのだ。