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レコード、カセットブームの次にCDブームはこないだろうけど、それでもCDプレーヤーには価値がある

武者良太ガジェットライター
Amadana Music CD プレーヤー。Makuakeより

近年、世界的にアナログレコードの売上が伸びてきている。大きなアートワークはコレクションとしての価値もあるし、ドリップコーヒーのように再生するまでのプロセスも味わうという楽しみ方をするユーザーが増えてきているのだろう。

カセットテープのブームも起きているという説もある。カセットテープ専門店もあるし、アナログレコードを扱う店舗でカセットテープを販売するショップも増えつつある。ガールズバンドのSCANDALがオリジナルデザインのカセットプレーヤーをリリースするなど、ハードウェア充実の傾向も見られる。

CDはどうだろうか。市場は下落傾向が続いてるが、ライブやフェス会場の物販コーナーを見ると、目当てのアーティストのCDを買い求めるべくオーディエンスが列をなしている。中には自宅にCDプレーヤーやDVDレコーダー、CD再生に対応したゲーム機を持っていないのに、CDを買っているファンもいるほどだ。

ここで視点をCDプレーヤー側に移すと、大きなサイズの製品ばかりが目に入ってくる。ダウンサイジングが重視される時代だからこそ、CDウォークマンのような手軽にCDを楽しめるプレーヤーが必要ではないだろうか。

現在、日本のクラウドファンディングサービスMakuakeにおいて、スタイリッシュかつコンパクトなCDプレーヤー「Amadana Music CD プレーヤー / C.C.C.D.P.(シーシーシーディーピー)」のプロジェクトが掲載されている。プロジェクト開始後1日で支援額が目標金額を超え、2日経った記事執筆時は199%に達していた。

バッテリーは内蔵していないが、モバイルバッテリーで給電可能。音声出力はアナログ・光にくわえて、Bluetoothにも対応。ボディはCDジャケットよりわずかに大きいサイズにとどめており、クリアスモークなダストカバーは回転しているCDが透けて見えてくる。またダストカバーを開いた状態でも再生が可能だ。一般販売時の価格も1台1万2960円とリーズナブルだ。

スマートフォン・タブレット用のBluetoothスピーカーやBluetoothヘッドホン・イヤホンがあれば、ワイヤレスで音を楽しめるなど、現代の音響事情にマッチした作りには好感が持てる。

CDがもういちど音楽ビジネスのメインストリームとなることは、残念ながら考えられない。ストリーミングサービスの簡便さには敵わない。しかしこのような、リーズナブルでスタイリッシュなCDプレーヤーがあれば、いままでにストックしたCDをもう一度楽しみたいと思う人は増えるだろう。

ガジェットライター

むしゃりょうた/Ryota Musha。1971年生まれ。埼玉県出身。1989年よりパソコン雑誌、ゲーム雑誌でライター活動を開始。現在はIT、AI、VR、デジタルガジェットの記事執筆が中心。元Kotaku Japan編集長。Facebook「WEBライター」グループ主宰。

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