台風8号が去っても終わらぬ大雨の脅威、特に北日本は厳重警戒を
台風8号は遠ざかる
台風8号は、きのう13日(土)午後5時半頃、伊豆半島に上陸し、横浜や東京都心付近を通過した後、昨夜遅く、茨城県沖に抜けました。今後は温帯低気圧に変わり、北海道の東海上へ遠ざかる見込みです。
一般に台風が抜けた後は、湿った空気も抜けるため、大雨が終わることが多いのですが、今回はそうともいかず、まだまだ大雨の脅威が続くことになりそうです。
青森や静岡で400ミリ超
この一週間、あちらこちらで局地的な大雨となりましたが、なかでも広範囲の大雨となった地域が静岡県と北日本です。
静岡県は主に台風8号の影響で雨量が増え、天城山では400ミリ以上となりました。そして、北日本は低気圧や前線の影響で、断続的に雨が降り続き、青森県で400ミリ以上となった他、広い範囲で200ミリから300ミリ以上に達する記録的な大雨となり、河川が氾濫するなど、大きな災害が発生しました。
この北日本で、再び危険度がかなり高くなるような大雨が心配されます。
危険な低気圧や前線が再び北日本へ
上図はあす15日(月)午後9時の予想天気図ですが、タイトル画像にある前線の雲が低気圧を伴って、北日本へ流れ込む見込みです。
記録的な大雨となった時と同じような際立った暖湿気が、低気圧や前線に沿うように流れ込むため、非常に激しい雨が降り、雨雲の発達具合により、猛烈な雨が降ってもおかしくないような状況となりそうです。
再び200ミリ超の大雨も
上図は17日(水)午前9時までに予想される72時間の予想降水量ですが、北日本の日本海側で雨量が増え、特に秋田や山形、新潟では200ミリ以上の紫色の地点も計算されています。
このところの大雨でもそうですが、雨雲が予想以上に発達すれば、この雨量がわずか数時間で降ってしまったり、この雨量をはるかに上回るような大雨となったりすることも想定内です。
大雨災害の後片付けや復旧作業をしている方も多いと思われますが、2次災害など、再びやってくる大雨に厳重な警戒が必要です。
フィリピンの東には広範囲に積乱雲
台風8号が去ったばかりですが、フィリピンの東海上では、広範囲にわたり積乱雲が湧きたっている状態です。
種々の計算によると、このあとしばらくは太平洋高気圧がブロックするため、これらは北上せずに影響はなさそうですが、お盆明けしばらくすると、徐々に北側にシフトし、この雲域の中で新たな熱帯擾乱が発生することを示すモデルもあります。
今後も注意深く、監視したいと思います。