台風8号は関東沖で足踏み 今後は宮城県方面を指向へ
足踏み後は北寄りに進み、宮城県方面を指向へ
タイトル画像にある通り、台風8号に伴うしっかりとした雲の渦巻きがいよいよ関東沖まで進んできました。
ところがけさになって西進の速度が極端に落ち、きょう27日(火)午前9時の時点では、銚子市の沖合でほとんど停滞している状態となっています。これは台風を西へ引っ張っていた一つの要因、上空の寒冷渦の影響が小さくなったためと考えられます。
今後は日本の東海上から北海道方面に張り出している太平洋高気圧の縁辺に沿うように北から北西方向へ進み、予報円内を進むと、あす28日(水)未明から朝の内にかけて、福島県から岩手県にかなり接近し、上陸する見通しです。
もし福島県や宮城県に上陸すれば、統計史上初めてのこととなり、岩手県に上陸すれば、5年前(2016年)甚大な被害が発生した台風10号に続き、2度目のこととなります。
いずれにしても東の海上から東北の太平洋側に上陸する台風は極めて異例と言え、勢力がさほど強くなくても、普段とは違う雨の降り方をする可能性もあるため、油断はできません。
東風の吹き付ける東北太平洋側で顕著な大雨のおそれ
台風8号は太平洋側に沿って北上するため、台風を回る反時計回りの非常に湿った空気がぶつかる東北の太平洋側(東や南東に向いた斜面)で、最も雨雲が発達する心配があります。
特に今夜からあす28日(水)朝の内にかけて、台風8号の接近、通過時には、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、顕著な大雨となる所があるかもしれません。大雨がひどくなるのが暗くなってからという所も多くなりますので、早めの避難行動を心がけた方がいいでしょう。
岩手県を中心に200ミリ以上の大雨予想
気象庁があす27日(水)午前6時までに予想している24時間の最大降水量は、岩手県、宮城県、福島県で200ミリとなっており、その後もさらに多い所では100ミリ程度降る予想です。
コンピュータの予想でも、岩手県の太平洋側で最も多く降ると予想されており、やはり200ミリ以上を示す紫色も出現しています。
5年前(2016年)の台風10号では、気象庁が統計を取り始めて以来、初めて東北の太平洋側に上陸した異例の台風となり、岩手県では台風の上陸時に集中豪雨に見舞われ、岩泉町で高齢者施設の近くを流れる小本川が氾濫し、多くの方が亡くなるなど、甚大な被害が発生しました。
今回の台風8号は、ここまで大雨のポテンシャルは高くないと思われますが、非常に湿った空気が流れ込むため、急激に雨雲が発達するおそれはあります。自治体からの避難情報はもちろん、避難情報が出されていなくとも、危ないと感じたら、早めの避難行動を心がけて下さい。