東京湾で大増殖!憧れの魚がもはや迷惑魚
釣り好き一筋人生を送ってきました、関東釣り散歩のひげお爺ちゃんです。
これまでの経験をもとに、「釣りのポイント紹介」や「釣りのお役立ち情報」をご紹介していきます。
今回は現在東京湾で大増殖している魚のこと。
一昔前は釣りを始める子供たちの憧れだったあの魚が、今はもう「迷惑」と言われるようにまでなってしまったかわいそうな魚とは・・・。
都会の海辺を覗くといる魚
もう海にも川にもいる。
自然とは離れた都心でも、ちょっと水辺を覗くと結構な確率で見かける魚。
小魚の群れとかじゃなくて割と大きいサイズの魚で、それがこのロープの側にいるんですが、、、見えますか?
明るさを加工したら少し見やすくなりましたが、黒い影が見えていますよね?
肉眼ではハッキリ見えていたんですが、写真では光が反射してうまく写せていなくてすいません。
見ているとロープを跨いでいったのでその瞬間を捉えた写真がこれ。
胸ビレから尾っぽまでが見やすくなっているのですが、わかりますか?
写真の明るさを加工して拡大すると少しわかりやすいかもです。
ここに魚影がありますよね?
左側に頭、そしてヒレがあって、右側に尻尾になってます。
見た感じ、おそらく40cm前後あると思われます。
この魚の正体。
わかりましたか?
東京湾で大増殖している魚の正体とは…?
今、東京湾の海や川で見掛けるこの魚、マジで大繁殖しているんです。
その正体は・・・。
黒鯛です。
関西ではチヌと呼ばれていますね。
一昔前はルアーフィッシングも今ほど盛んではなく釣りと言えばエサ釣りが一般的で、身近な漁港や堤防で釣れる一番人気の魚がこの黒鯛でした。
釣れるといっても適当にやっていて釣れるような魚ではなく、仕掛けやポイント、考えやテクニックもないと釣ることは難しい魚で、さらにはこの黒銀色の魚体と強そうな見た目のカッコ良さが、当時釣りを始める子供たちにとって憧れの魚になっていたのです。
この魚が今、東京湾で大増殖しているんです。
なぜ急に増殖してしまったのか?
黒鯛が東京湾で増殖している理由。
その要因の一つと言われているのが海水温の上昇です。
通常、海水温が低い時期の黒鯛はあまり動き回らないでじっとしていることが多いのですが、近年は真冬でも活発に動く黒鯛の姿が当たり前のように目撃されているんです。
きっと皆さんも行ったことのある海沿いや海から数km遡った河川などでも、チラッと覗いてみると意外と見かけることができるかもしれません。
それを裏付けるように、漁師の網に掛かってくる黒鯛の漁獲量も年々変化。
1990年代は東京湾の入口付近の網に多く掛かっていた黒鯛が、10年後には横浜沖ラインに、さらに10年後の2010年代には東京湾奥の浦安沖ラインでも多く捕れるようになってきたというのです。
これだけ黒鯛の行動範囲に変化が表れているということは、海の中の環境が変わってきているということは間違いないでしょうし、海水温の上昇がその一つの要因と言われるのも納得ができます。
漁師も大迷惑!売れない魚
でもたくさん捕れるようになったのなら、漁師さんも嬉しい悲鳴なのではないでしょうか?と思ったら実はそうでもなく、真鯛は嬉しくても黒鯛はあまり嬉しくないらしいんです・・・。
黒鯛は独特の臭みを持っている個体が多く、見た目も黒々しいということもあり、総合的にあまり売れる魚ではないそうです。
最近鮮魚店でたまに見かけることが出てきましたが、スーパーではあまり見かけることは少ないですし、消費者側からしてもやっぱり見慣れない魚ってグロく見えてしまうこともあって手が出にくいですもんね。
また、黒鯛は海苔漁師さんにとっては本当に大迷惑な魚で、網に付いて育ってきた海苔を食い荒らしてしまい、年々海苔が取れなくなっているというのです。
生活に大きく影響してしまうことですから非常に大きな問題なんでしょうが、そうは言っても、黒鯛たちに罪はありません。
海水温の上昇、そして生態系のバランス。
どちらも難しい問題ですね。
釣りには楽しいターゲット!
東京湾で増殖している黒鯛。
色々な問題もありますが、釣りのターゲットとしては最高です。
最大50cm~60cmぐらいにもなる見た目もかっこいい黒鯛。
憧れの的だった魚が増えて、手軽に狙えるようになってきたんですから。
釣り方は主に3パターン。
- 「ヘチ釣り」
- 「ウキ釣り」
- 「ルアー釣り」
カニや貝類を壁際にゆっくり落とし込んで食わせる「ヘチ釣り」。
オキアミ餌を浮かべて撒き餌のコマセを撒いて寄せて食わせる「ウキ釣り」。
疑似餌のルアーを使って釣り歩く「ルアー釣り」。
どれでもお好みで楽しめる、今熱いターゲットです。
ぜひ挑戦してみてはどうでしょう?
釣具メーカーはチャンスかも?
今後、黒鯛釣りをする人はきっと増えてくるでしょう。
そうなると釣具メーカーにとってはチャンス到来と言えるかもしれませんね。
「黒鯛が増えているので黒鯛釣りをするなら今!」みたいな大々的なコーナーを展開。そしてそれを見たお客さんがお試し程度にやってみて、本当にすぐに釣れてしまったら一発でハマってしまうでしょうね。
釣れてしまうともっと良い釣具が欲しくなって売れる。
釣り方も色々あるわけですから、それぞれに適する釣具も色々あって、あの釣り方で釣れたから今度は別の釣り方で狙ってみたいということになれば、また売れる。
もう釣具メーカーもわかっているはずです。
きっと黒鯛用の竿やリール、ルアーなどの新製品はどんどん出てくるでしょうね(笑)。
食べるなら塩焼きがおすすめ
もし黒鯛を食べるなら釣る場所を選ぶといいかもしれません。
都心の河川で釣れる個体や居着きの真っ黒な個体は臭みが強い可能性があります。
そういった魚は釣り上げた瞬間から臭いを発している場合が多いので、不安であれば元気なうちにリリースしてあげましょう。
逆に潮通しの良い海辺で釣れる回遊性の高い銀色の個体であれば、比較的臭みを感じることが少ないかもしれません。
これは生活圏の水質などの影響があるからです。
調理の際は臭みを避けるためにウロコをしっかり落とし皮面をキレイに洗うこと。
シンプルな塩焼きが美味しくておすすめです。
まとめ
今回の記事は参考になりましたでしょうか?
これから釣りを始める初心者の方や、話のネタの参考になれば幸いです。
今後も釣りに興味がある方にとって「話のネタ」や「楽しいお役立ち情報」をご紹介していきます。
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