飲食店での食事は新型コロナ感染のリスク Go To Eatキャンペーンを安全に利用するためには
Go To Travelキャンペーンに続き、Go To Eatキャンペーンが開始されます。
準備が整った地域から開始し、ポイント付与は10月1日から行われるとのことです。
「Go To Eatキャンペーン事業」は外出自粛等の影響により甚大な影響を受けている飲食業に対し需要喚起を図る経済対策です。
一方で、飲食店での会食は新型コロナウイルス感染症に感染するリスクにもなり得ます。
安全にGo To Eatキャンペーンを利用するためにはどうすれば良いのでしょうか。
レストランでの食事は新型コロナ感染のリスク
飲食店での食事は、人と人が密に接触する環境で、さらにマスクを外して、会話や飲食を行うことから新型コロナの感染リスクが高いとされています。
アメリカの11の病院に入院した新型コロナが疑われて検査陽性だった154人(新型コロナ患者)と、検査が陰性であった160人の行動歴などを比較したCDCによる研究が報告されました。
これによると、検査陽性だった人は、検査陰性だった人に比べて約2倍レストランで食事をしており、レストランでの食事が新型コロナ感染のリスクであると結論づけられています。
また中国のレストランで起こった10人の集団感染の事例は、換気の悪い環境で、エアコンによって感染が広がった可能性が指摘されています。
このレストランはビルの5階に位置し、窓がなく、エアコンが完備されていました。
各テーブルの距離は保たれていたにも関わらず、テーブルを超えて感染者が出ており、これはエアコンからの強い気流が飛沫を運んだ結果であると著者らは推測しています。このエアコンが空気を再循環させていたことも関係しているかもしれません。
東京都の新型コロナ患者は再び増加傾向に
新型コロナの新規感染者数が減少傾向にあった東京都では、9月中旬から再び増加に転じています。
9月17日の東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議では、会食により感染した人が前週の41人から67人に増加したことが取り上げられています。
東京23区の時短営業要請も9月15日に解除され、友人や職場の同僚等と会食の機会が増えることが想定されます。
さらにGo To Eatキャンペーンが始まれば、飲食店を利用する人はますます増え、新型コロナ患者がますます増加してしまうかもしれません。
ハーバード大学の疫学者であるMiguel Hernan教授は、アメリカのニューヨークとスペインのマドリードの新規感染者数を比較して、ニューヨークでは第2波が起こっておらず、マドリードでは第2波が起こっている原因についてTwitterで解析しています。
この原因の一つとして、ニューヨークでは未だにレストランの定員を25%に制限しているのに対し、マドリードでは定員制限が60%であり、かつプロトコルが遵守されておらず混雑したレストランが多いことを挙げています。
もちろんこれだけが原因ではありませんが、これまでのエビデンスからは、飲食店の利用が感染拡大を加速させてしまう可能性はありそうです。
では、安全にGo To Eatキャンペーンを利用するためにはどうすれば良いのでしょうか。
テイクアウトやデリバリーを利用する
屋内で密集した状態で、マスクを外して会話をすることが新型コロナの感染リスクになることはすでに述べた通りです。
これを確実に回避するのは、テイクアウトやデリバリーを利用することです。
Go To Eatキャンペーンでは持ち帰り(テイクアウト)や宅配(デリバリー)も対象となっています。
安全に、飲食店の食事や飲み物を楽しむには、テイクアウトやデリバリーを利用するのが良いでしょう。
テラス席など屋外で飲食できる店を選ぶ
屋内での食事は3密の状況を作りやすくなります。
テラス席のあるレストラン、ビアガーデンなど屋外で飲食できるお店は比較的リスクは低くなります。
こうしたお店を優先的に選ぶと良いかもしれません。
お互いの距離を確保し、食事中の会話は少なめに、小声で
食事中はマスク着用ができません。
その状態で会話をすることで飛沫が周囲に飛びます。
食事中の会話は楽しいものですが、飛沫を抑えるために飲食店ではお互いの距離を確保し、できる限り会話は控え、小声で話すようにしましょう。
また大人数での食事も、その中に感染者が含まれる可能性が高くなるため、感染リスクが高くなります。
音楽が大音量で流れているお店や、周りが騒がしいお店はどうしてもお互いの距離が縮まり大声での会話になりがちですので、BGMの音量が小さいお店や、静かな雰囲気のお店を選ぶ方が良いかもしれません。
換気の悪いお店はなるべく避け、どうしても利用する場合は会話を控え短時間で済ませるのが良いでしょう。
もちろんこうした感染対策は、地域の流行状況によって強弱をつけて行うものであり、すべての地域で一律に行うべきものではありません。
『距離を確保して』『会話は控えめに』『短く済ませる』とか、「こんな食事のどこが楽しいんだ!」と思われるかもしれませんが(私も思います)、これがWITHコロナ時代の新しい食事様式であり、私たちはもう当分の間、元の食事形態には戻れません・・・(涙)。
この事実を受け止めて、自分らしく食事を楽しめるスタイルを探すのもまた楽しいのではないでしょうか。