コンピュータと人間が関わる多くの分野が注目する国際会議CHI2021がオンライン開催中
ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(Human Computer Interaction)の分野では最も重要な国際会議の1つであるCHIが5月8日~5月13日まで完全オンラインで開催中です。CHI2021 https://chi2021.acm.org/
コンピュータと人間に関わる多くの分野が注目する国際会議
CHI(カイ)と呼ばれるこの国際会議は、ACM (Association for Computing Machinery)学会の分科会の1つであるSIGCHI (SIG Computer-Human Interaction)が主催する国際会議です。
とあるように、もともとは、2020年4月に竣工されたパシフィコ横浜Northを中心として開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で完全オンラインへの切り替えとなりました。
時差を超えた国際会議のための工夫
初のオンライン開催となるCHI2021では、世界中の様々な地域からのアクセスを考慮して、全体を3つのタイムゾーンにわけ、著者はその内2つのタイムゾーンで発表するような仕組みになっており、時差を考慮したプログラムになっていることが例年とは大きく異なる点でしょう。
また、バーチャルカンファレンスプラットフォーム(Virtual Conference Platform)の中では、自身のタイムゾーンにあわせた時間表記のプログラムとなっており、スケジュールがわかりやすいのも助かります。
招待講演は情報系だけでなく、どの分野の人にも見てほしい
招待講演(Keynote)の一人には今年4月に日本科学未来館の館長に就任された浅川智恵子氏。アクセシビリティ分野で世界で注目されている彼女の招待講演は世界でも注目されており、盛り上がっていました。
リアルタイムでの講演は日本時間の本日朝に終わってしまいましたが、もう1度レコーディングでの講演およびリアルタイムでの質問の時間も用意されています。
Chieko Asakawa: See What I Mean: Making Waves with the Blind
Presentation 1:
(15min opening + 60min live talk + 15min live QA)
JST May 10 (Mon) 06:30-08:00
Presentation 2:
(60min video + 15min live QA)
JST May 10 (Mon) 21:00-22:15
(招待講演情報 https://chi2021.acm.org/for-attendees/keynotes より)
明日5月11日(火) の招待講演は、プリンストン大学のRuha Benjamin教授による、"Which Humans? Innovation, Equity, and Imagination in Human-Centered Design"です。Human Centered Design (人間中心設計)という言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。患者のケアといった医療の現場から、オンライン学習といった教育現場まで、幅広い業界で使われています。これらの技術やリスクについてのトークで、今後の世の中を考えていくにはどの分野の人にも知ってほしい内容です。
Ruha Benjamin: "Which Humans? Innovation, Equity, and Imagination in Human-Centered Design"
Presentation 1:
(60min live talk + 30min live QA)
JST May 11 (Tue) 06:30-08:00
Presentation 2:
(60 min video + 30min Live QA)
JST May 11 (Tue) 21:00-22:30
(招待講演情報 https://chi2021.acm.org/for-attendees/keynotes より)
技術論文は何から見たらいいのか?
CHIはパラレルセッションといって、並行して多くの研究が発表されるのも特徴。多くの発表があり、どれを聴講したり、どの論文を読んだりしたらいいのか、見つけられない、という方は是非、Awardを受賞した論文から目を通してはいかがでしょうか。
こちらに、CHI 2021 Teaser - Technical Program のYouTubeがあるので見てみることをオススメします。
また、CHI2021 Paper Presentations として、著者が用意した論文の発表動画(各5分)がYouTubeのプレイリストとして公開されています。これらの情報には無料でアクセスができます。
日本で開催するはずだった名残がみられる随所
もともと日本・横浜での開催を予定していたCHI2021では、39回目にして初の日本開催とあって、委員の日本チームも例年以上の力が入っていました。(私は、Family Chairという子連れ学会参加の研究者のための委員。託児所やベビーシッター、子どものためのワークショップなどの担当でした。)
学生ボランティアや委員は、例年学会Tシャツを着ますが、今年は法被(ハッピ)。
Happi Design Contest を行って、法被が作られました。その様子は、
Twitter検索 #CHI2021 などで見ることができます。
参加登録のオプションでは、「Hello Kitty stuff toy with a CHI2021 happi coat」としてハローキティとコラボしたCHI2021ぬいぐるみもあり、こちらは大盛況であっという間に売り切れてしまったようです。
参加登録するには
より興味のある方はこちらの参加登録サイトから登録することでリアルタイムにアクセスして著者に質問したり、参加したりすることができます。
情報科学、認知科学、心理学、デザイン学などに興味のある研究者や学生だけでなく、ちょっと新しい分野を勉強してみたいな、と思う人は是非、アクセスしてみてください。