コンピュータグラフィックスの国際会議「SIGGRAPH 2024」を振り返る #専門家のまとめ
コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の国際会議SIGGRAPH 2024(シーグラフ)が米国DENVERにて7月28日(日)~8月1日(木)まで開催されました。研究者やエンジニア、アーティスト、デザイナーなど、コンピュータグラフィックス(CG)に携わる多くの人が集まる国際会議で、今年の夏に発表された最新の技術や作品の紹介をしたいと思います。
ココがポイント
Electronic Theater 2024に日本人の学生作品が入選
エキスパートの補足・見解
生成AIというとChatGPTが思い浮かぶかもしれませんが、画像、音楽、テキストなど多岐にわたって活用されています。特に今年のSIGGRAPH 2024の技術論文セッションである「Technical Papers(テクニカルペーパー)」では上記の記事のように生成AIをグラフィックスに活用した研究・技術が多く発表されていました。
また、「Electronic Theater(エレクトロニック・シアター)」は、アカデミー賞のノミネート作品の選考対象となるフィルム・フェスティバルの1つとされており、Electronic Theaterで作品が上映されることは大変名誉あることと言えます。日本人学生の作品「Origami / 折紙」が16年ぶりに入選したとのことで、今年の夏は界隈で話題になっていました。コンピュータグラフィックス(CG)で折り紙を表現するのはとても難しいこと。薄っぺらい紙なので一見厚みを無視してCGで表現できるように思うかもしれませんが、厚みを考慮しないと何度も折り返したり、重なりを適切に表現することができないのです。細かいところまで作り込んであるこの作品に引き込まれた人が多くいたのでしょう。