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子どものスマホ利用について不安を感じる親はどの情報を信じれば良いのか #専門家のまとめ

五十嵐悠紀お茶の水女子大学 理学部 准教授
(写真:アフロ)

最近では小学生が初めて持つ携帯がキッズ携帯ではなく、スマートフォンという子も増えてきました。子どものスマホ利用に関する調査は様々な角度から行われており、不安を感じる親が多いこと、子どもがスマホを手放せない現状、スマホを持つ子どもの低年齢化などが見えてきます。この記事では子どものスマホ利用の現状についてまとめ、どのような情報を信頼すればよいのか解説します。

ココがポイント

83.7%が、親の目の届かないところで、子どもがスマートフォンを使用することに「不安を感じている」と回答
出典:キングソフト株式会社 2024/9/5(木)

小中学生の21.1%が「眠る直前までスマホを使用」していた
出典:ニフティキッズ 2024/09/26(木) 

家でスマホばかりやっている子は、外遊びができなくなっています。
出典:FRIDAYデジタル 2024/8/13(火)

デジタルメディアの利用時間よりもコンテンツに注意を払ったほうがよい
出典:東洋経済オンライン 2024/8/13(火)

エキスパートの補足・見解

子どものスマホ利用については様々なニュースが飛び交っていますが、こういった情報にはオリジナルな記録・出典である「一次情報」と、一次情報をまとめた「二次情報」があります。このまとめ記事で紹介した中では、キングソフト株式会社の記事とニフティキッズの記事は一次情報です。実際にインタビューをして直接得られた情報である保育現場ルポも、一次情報となります。東洋経済ONLINEの記事では、論文や調査報告書を引用しながら一般の人にとってわかりやすくまとめた二次情報になります。

情報収集をして、それをもとに議論をする際には、情報の信頼性について知ることも大事です。子どもの性格や使い方に応じて、必要な情報収集を行い、スマホの使い方について親子で考えてみたり、ルールをアップデートしてみるのが良いでしょう。

スマホのスクリーンタイムでは、どの時間に多く使用しているか、どのアプリを多く使用しているか、などの情報を知ることができます。いつも「YouTubeばかり見て」と怒る前に、スマホのスクリーンタイムという一次情報を見て、親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。案外、ご自身のスマホのスクリーンタイムもYouTubeばかりかもしれませんよ。

お茶の水女子大学 理学部 准教授

東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.博士(工学).日本学術振興会特別研究員PD, RPD(筑波大学), 明治大学総合数理学部 専任講師,専任准教授を経て,現職.未踏ITのPM兼任.専門はヒューマンコンピュータインタラクションおよびコンピュータグラフィックス.子ども向けにITを使ったワークショップを行うなどアウトリーチ活動も行う.著書に「AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55」(河出書房新書),「スマホに振り回される子 スマホを使いこなす子 (ネット社会の子育て)」(ジアース教育新社),「縫うコンピュータグラフィックス」(オーム社)ほか.

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