「最も打率の低い本塁打王」が誕生する!? 33本塁打はリーグ最多だが、打率は.204
7月31日、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、シーズン33本目のホームランを打った。アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と比べると、シュワーバーの本数は9本少ないが、ナ・リーグではトップだ。2位のオースティン・ライリー(アトランタ・ブレーブス)に4本差をつけている。
ただ、シュワーバーの打率と出塁率は.204と.306に過ぎず、7月を終え、ナ・リーグでチームの試合数×3.1打数以上の73人中、下から5番目と15番目に位置する。7月6日の時点では、打率.226と出塁率.341を記録していたが、その後の20試合は、6本のホームランを打っているものの、打率.124と出塁率.163に終わっている。
ナ・リーグとア・リーグの球史において、最も打率の低い本塁打王は、1982年のデーブ・キングマンだ。この年、キングマンはニューヨーク・メッツでプレーし、打率.204と37本塁打を記録した。ちなみに、40年前のキングマンは打率.2037…(535打数109安打)、現時点のシュワーバーは打率.2042…(377打数77安打)。わずかにキングマンのほうが低いものの、ほとんど変わらない。
一方、最も出塁率の低い本塁打王は、キングマンではない。1917年にナ・リーグでそれぞれ12本のホームランを打ち、タイトルを分け合った2人のうち、デーブ・ロバートソンが出塁率.276(打率.259)を記録している。それに対し、1982年のキングマンは出塁率.285。史上2番目に出塁率の低い本塁打王だ。
現在、フィリーズは、ワイルドカードの3番手に位置している。打率も出塁率も低いとはいえ、シュワーバーがホームランを量産していなければ、ポストシーズン進出の可能性は潰えていたかもしれない。ブライス・ハーパーは、左手に死球を受けて親指を骨折し、6月下旬から離脱している。復帰は、早くても今月下旬だろう。また、シュワーバーと同じく、昨オフに加入したニック・カステヤノスのホームランは、二桁に達していない。昨シーズンのホームランは、ハーパーが35本、カステヤノスが34本、シュワーバーは32本だった。
フィリーズは、シュワーバーがホームランを打った試合で勝率.607(17勝11敗)を記録している。シュワーバーが出場し、ホームランを打たなかった試合の勝率は.500(36勝36敗)だ。