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パッティングはアート!?「Putt to the picture」の意味とは【ゴルフ】

野洲明ゴルフ活動家

パットのポイント

パットはグリーンを読むことから始まる。ボールの転がりを頭の中に描き、狙いを決める。その後に、距離感と方向が合うストロークのイメージを作る。

距離感を合わせるためには、振り幅がポイントになる。方向を合わせるためには、ターゲットラインにフェースがスクエアになるインパクトやストレートに近いヘッド軌道がポイントになる。

ただ、そのポイントをそのまま意識しても、理想的なストロークにはなりにくい。どのようなことをポイントに挙げれば良いのだろうか。

Putt to the piture(パットトゥザピクチャー)

絵に向かってパットする

タイガー・ウッズは「Putt to the picture」と言う。直訳すると「絵(写真)に向かって打つ」となる。これは、顔(目)はボールの方向を見ていても、頭の中にある絵に向かって打つ、という意味。

まず、狙う方向の風景を記憶してアドレスを完成させる。そして、記憶した風景を思い浮かべながらストロークする。顔は地面を向き、目はボールやクラブヘッドをとらえているが、頭の中は記憶した風景の色の方が濃い。これがPutt to the pictureだ。

ウッズのパッティングストロークを見ると、頭の位置や顔の向きが固定されて動かない。インパクト後も動かない。ボールや地面を凝視しているように見えるかもしれないが、ウッズが見ているのは頭の中にある風景なのだ。

ボールやヘッドが見えているが頭の中はターゲット方向の絵に支配されている状態
ボールやヘッドが見えているが頭の中はターゲット方向の絵に支配されている状態

ヘッドの動きを見過ぎないようにする

多くのゴルファーはパッティングストローク中のクラブヘッドやボールを強く見過ぎている。正確なヘッド軌道や振り幅を求めるが故だろうが、見過ぎると逆にヘッド軌道は乱れ、狙った方向に打ちにくくなる。リズムやテンポが一定にならずに距離感も合いにくくなる。

顔は地面に向けていても、記憶したpictureを鮮明にイメージして、クラブヘッドやボールは“ぼんやり見えている”ぐらいの状態でいられるとスムーズにストロークしやすくなる。

目を閉じて打つ練習

意識がクラブヘッドやボールに行ってしまう人は、アドレスしたら目を閉じて打つ練習ドリルをしてみると良い。狙う方向の風景を思い浮かべながら、ストロークする感覚をつかみやすくなる。

やってみると分かるが、意外にしっかりボールに当たるし、狙い通りの方向にボールが転がる。「見なくても大丈夫」といった余裕が少しでも生まれると、その分、Putt to the pictureを実行しやすくなるだろう。

頭の中に絵やラインを描く。パットはアートなのだ。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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