アメリカ 冬の竜巻大発生で被害続出
24日(水曜)未明、島根県益田市で突風が吹き、屋根や壁が剥がれたり、ガラスが割れるなどの被害が発生した。気象台によると、この原因は竜巻の可能性が高く、竜巻の指標である藤田スケールでF1(風速33~49m)という。しかし幸いにも怪我人は出なかった。
一方、アメリカ南東部では現地時間23日(火曜)に、約35個の竜巻が発生し、死傷者が出ている。伝えられるところによると、ルイジアナ州とミシシッピ州で3名が死亡し、多数の怪我人が出ている模様。ジムの窓ガラスや天井が壊れたり、大型車が転倒したり、給水タンクが潰れるなどの甚大な被害も出ている。
竜巻街道とディクシー街道
竜巻大国アメリカの中で最も竜巻が発生しやすい場所を「竜巻街道」と呼んでいる。その場所は、テキサスからノースダコタ州周辺にかけてのアメリカ中部である。
一方で、23日に竜巻が大発生した南東部は、「ディクシー街道」と呼ばれ、全米で2番目に竜巻が多い地帯である。
「ディクシー街道」が「竜巻街道」と異なる点に、竜巻の発生時期・時間がある。
冬の竜巻
「竜巻街道」における竜巻の発生時期は、主に春が多い。それは、冬の名残の寒気と春の暖気がぶつかることで低気圧が発達するためである。しかし、南東部は、暖かいメキシコ湾の影響を受け、冬でも気温が高い。このため、2月でも竜巻が大発生することがある。例えば、2008年の2月5-6日には、2日間で約90個の竜巻が発生し、死者57名、負傷者400名以上という大きな被害が出た。
夜の竜巻
また、多くの竜巻は、日中気温が上昇する日中に発生するが、「ディクシー街道」では夜にもしばしば竜巻が起こることがある。それは、南部に位置するこの場所は、夜も気温が下がりにくいためである。実際、今回もいくつかの竜巻が夜間に発生。人々の注意が緩慢になる夜は、竜巻の被害が出やすい。
アメリカ東海岸でも死者
南東部に引き続き、現地時間24日(水曜)は東海岸でもあらたに竜巻が発生している。これまでのところバージニア州やノースカロライナ州などで約15個の竜巻が報告され、3名が死亡したという。竜巻の恐れは24日いっぱい続く見込みである。