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どっちのメジャーリーガーが多い!?「殿堂選手の息子」と「殿堂選手の父」

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケン・グリフィーJr.(手前)と父のケン・グリフィー June 20, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズンのメジャーリーグでは、殿堂選手の息子が3人、プレーしている。サンフランシスコ・ジャイアンツのデレク・ロドリゲスとトロント・ブルージェイズの2人、ブラディミール・ゲレーロJr.キャバン・ビジオだ。彼らはそれぞれ、殿堂選手のイバン・ロドリゲスブラディミール・ゲレーロクレイグ・ビジオを父に持つ。先日、「ラインナップには「殿堂選手の息子」が2人。ゲレーロに続き、ビジオもメジャーデビューへ」で紹介したとおり、彼らを含め、殿堂選手の息子は14人を数える。兄弟の2人がいるので、父は13人だ。

 それに対し、メジャーリーグでプレーした選手のうち、殿堂選手の父となったのは、ケン・グリフィーサンディ・アロマーの2人しかいない。こちらは、ケン・グリフィーJr.ロベルト・アロマーが殿堂入りしている。ロビーの兄、サンディ・アロマーJr.もメジャーリーグで活躍したが、殿堂には入っていない。

 もっとも、どの殿堂選手にも父はいる。少なくとも、生物学的な存在としての。そのなかには、メジャーデビューはできなかったものの、マイナーリーグでプレーした選手もいる。カル・リプケンJr.の父がそうだ。ボルティモア・オリオールズでは、親子3人が揃った――カル・リプケンSr.が監督を務め、リプケンJr.とその弟のビリー・リプケンがプレーした――時期もあったが、父はマイナーリーグでしかプレーしていない。

 父がマイナーリーガー、息子は殿堂選手の親子が、他にもいるかどうかは調べていないが、それとは逆の親子も存在する。例えば、トニー・ペレスエデュアルド・ペレスの親子は、父が殿堂選手、息子はメジャーリーガー(2001年に阪神タイガースでもプレー)だが、トニー・ペレスとビクター・ペレスの親子は、父が殿堂選手、息子はマイナーリーガーだ。ビクターはエデュアルドの兄。1990年にルーキーリーグで24試合に出場した。

 なお、グリフィーJr.とその息子は、ベースボールという点では、これらの親子のいずれにも当てはまらない。長男のトレイ・グリフィーは、NFLのピッツバーグ・スティーラーズに在籍。シアトル・マリナーズは2016年のドラフトで、24巡目・全体717位にトレイを指名したが、これは父の背番号「24」にちなんだ儀礼的なものだ。次男のテビンも、高校でアメフトをプレーしている。また、娘のタリンは、大学でバスケットボールの選手だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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