カリフォルニア州、山火事の後の大雨で高まる二次災害のリスク
州史上最悪の山火事にあえぐカリフォルニア州に、新たな危機が迫っています。21日(水)から週末にかけて大雨が予想されており、土砂崩れや洪水などのリスクが高まっているのです。山火事の後の大雨は、特に注意が必要です。
州史上最悪の山火事
今月8日(木)にカリフォルニア州北部ビュート郡と南部ベンチュラ郡で、ほぼ同時に山火事が発生してから、10日が経ちました。依然として死者数は増加の一途をたどっています。
北部の山火事、いわゆる「キャンプファイアー」は、「ディアブロ・ウィンド」と呼ばれる高温で乾いた強風の影響で、1分間に東京ドーム2個分のペースで拡大しました。
19日(月)時点の焼失面積は61,000ヘクタール、焼失軒数は14,500軒、死者は82人に及んでいます。焼失軒数、死者数共にカリフォルニア州史上最悪となりましたが、未だに700人と連絡が取れていません。
一方、山火事の現場から数百キロも離れたサンフランシスコなどの都市にも山火事の煙が充満し、被害が広がっています。先週の大気汚染レベルはインドや中国よりも悪く、世界最悪の状態となりました。学校が閉鎖されたほか、視界不良で航空便の相次ぐ遅延が発生しています。
(↑サンフランシスコ国際空港の様子)
大雨の予想
こうした被害の広がるカリフォルニア州に、21日(水)からは大雨の予想が出ています。さらに23日(金)にも次の低気圧が接近し再び大雨が降る見込みで、3日間の降水量は多いところ100ミリ以上に及びます。
山火事の後は土砂災害が起きやすい
雨のおかげで土壌や木々などが湿り、火の勢いが弱まることが期待されますが、一方で土砂災害の危険が高まります。
第一の理由は、火災で地面が焼けると舗装された道路のように表面が固まって水を吸い込みにくくなるために、雨が降っても地面にたまることなく、すぐに流れ出てしまうからです。
第二の理由は、雨が降ると地表を覆っていた焼け焦げた木々の残骸や灰などが一気に流され、家屋や建物、橋などを壊していくためです。
アメリカ気象局によると、土地の傾斜や山火事の規模によって異なるものの、1時間で10ミリの雨が降れば、土砂災害が起きる可能性があるとしています。
今年1月にも、カルフォルニア州史上最大級の山火事が起きた南部ベンチュラ郡などに、2日で150ミリを超える大雨が降って土砂崩れが発生し、21人が亡くなるという大惨事が起きました。
いま被災地では、救助活動や遺体捜索が難航を極めていますが、大雨が降ることでさらに事態が悪化するおそれがあります。
(↑1月の土砂災害の様子)