サムネイルのインパクトある鶏の丸焼き。実はこれ、高原町のお店で販売されている予約限定の「若鶏の丸焼き」。その非常に珍しい調理法でメディアにも多く取材されているので、町内外でもご存知の方も多いかも知れませんね。さて、今回はそんな気になる製法を誇るお店「能勢どんの店」をご紹介いたします！

場所は高原駅を正面として右に進み線路を渡って道なりに進むと、左手に見えてきます。黄色い建物が目印です。

建物が２つあるように見えますが、つながった１つのお店ですので、駐車はどこかなと思われるかも知れませんが、安心してゆっくり進んでいただき、奥の「能勢どんの店」と大きく書いてあるところに停められます。詰めて３台程でしょうか？道沿いなので、サクッと停めると２台くらい停められる位のイメージだと間違いないかと思います。

黄色が素敵な、インパクトある佇まいですが、よく見ると入口にはこんなにかわいい子がいます。

キリンさんとコアラさん。個人的にツボの可愛さです。ある種「写真スポット」にもなりそうなお二人。実は、この子達はお客さんの趣味で作られたもので、プレゼントしていただいたそうです。店内外にも、味のある木彫りの椅子がありました。

入口のガラスにメニューが大きく載っています。ここを見て大体決めてから注文すると良いかも知れません。カウンターの少し右側にも同じチラシがたくさん置いてあったので、それを見ていただくのも良いかと思います。

店内は明るい日が入り、すっきりとした清潔感のある印象です。最初は「どこから注文するのかな？」と思ったのですが、カウンターの所から「こんにちは～！」とお声がけすると、奥で作業されていたご主人が来て下さるので、ご安心ください。この日はおひとりで作業されていらっしゃいました。

こちらの笑顔の素敵な方が能勢どんの店のご主人。詳しく言うと、息子さん、お孫さんになるそうです。というのも、こちらのお店は開店からするとなんと70年もの歴史があるそうです！凄い。鶏肉の販売を始めて10年程と、地元に愛されるお店であるのがよく分かります。では早速、地元で愛される鶏の味お伝えします！

お待ちかねのお肉

今回は「若鶏の骨付きモモ炭火焼　550円」と「若鶏の唐揚げ　500ｇ 500円」を購入しました。骨付き肉が好きな私としては、否応なしに期待が高まります。まずは骨付きモモから。

こちらの袋にはいっているので、店主さんのアドバイス通り、1分半くらい温めてみました。レンジOKの袋とは物凄く有難いです。袋ごと温めるときは、付属のアルミホイルは外してくださいね。

テープで閉じてありますが、一度開封しても上手にレンジが温めてくれるので、問題ないです。

では、再びアルミを骨に巻いて。いざ実食。まず、表面に見えている鶏皮ですがオリジナルの「蒸しかまど」製法によって、不要な脂が落ち切って、旨味だけが凝縮した物凄く味わい深い皮になっています！鶏皮のくにゅっと感が苦手な方でも、こちらの皮なら鶏皮っぽさがかなり抜け、炭の良い香りも豊かに香るので、かなり食べやすいのではと思います。この皮がすでに相当美味しい…。

こちらお肉の断面です。指で引っ張ると、ほろりと外れてくれたので、食べかけではありません。お分かりいただけますでしょうか？このお肉のしっとり感。能勢どんの店さんの最大にして最高の売りは、炭の香り高いジューシーなお肉と言っても過言ではないと思います。それほど素晴らしい味わい。全くパサつきがありません。美味すぎる。

大きさはしゃもじくらい。形容するものがなくて色々探したら、まさにうちのしゃもじと同じ大きさでした。これを大きいと思うか、小さいと思うかは個人差があると思いますが、物凄く食べ応えがありました。味は塩コショウベースに感じました。さっぱりしているのですが、味付けはしっかり目なので、余計にもりもり食べ進めることが出来ます。私はご飯のおかず、夫マンはおつまみにしていましたが、どちらにも非常におすすめです。肉質がしっとりしているので、飲むように消えていきます。

こちらは「若鶏の唐揚げ」。サイズは比較的小さめなので、お子様でも食べやすいかと思います。ニンニクの効いた塩ベースの味です。衣が厚すぎないので、鶏の美味さをダイレクトに楽しむ事が出来ます。冷めても美味しい唐揚げでした。そして、私が目を離した（家事に勤しんでいた）間に全部なくなっていました。何故でしょうか夫マン？

WHAT’S　能勢どんの店

「能勢どん」って何だろう。お店の前を通るたびに思っていました。誰なのだろう、高原町の偉人さんなのかな？などと考えていたので、店主さんに聞いてみました。

「能勢どんというのは、うちの苗字なんですけど、祖母が鹿児島の人なんです。鹿児島って名前の後ろに『どん』ってつけるじゃないですか。西郷どんみたいな感じで。祖母もそう呼ばれていたので、そのまま『能勢どんの店』という名前にしたんです。」
まさかお婆様の呼ばれ方が店名の由来だったとは驚きです。もとは、能勢どんの店さんは、店主さんのお爺様が鶏の飼料などを販売するお店として開店したのが始まり。するとある日、「『蒸しかまど』で鶏を焼いたら美味いんじゃないか？」というお爺様の素晴らしいアイディアから、現在も愛されるオリジナルの製法が誕生！この発想、なかなか思いつくものではありませんよね。

「蒸しかまど」とは、江戸時代、明治時代から使われている木炭などでご飯を炊く陶器でできた大型の炊飯器の事。今では全く見かけませんよね。私は田舎で祖父母とも暮らしていましたが、幼い頃からガス窯だったので見たことはありませんでした。そんな蒸しかまどをお爺様が持っていたことも凄いですし、それを使って肉を焼こうと発想されることも凄いですよね。どれか一つでも欠けていたら生まれなかった味だと思うと、奇跡の味にも感じます。

けれど、お爺様は最初から商品とはされず、親戚やご近所さんに丸焼きの鶏をお歳暮などで贈ったりする程度だったそうです。すると、その鶏の美味しさが評判になったことで、炭火焼きの販売をスタートし、現在の形になりました。この美味しさを身内だけで楽しむのは確かに勿体ない…！コロナ以前は都城市のイベントにも出店しておられました。現在は宮崎市のイベントにもブースを出しているので、広くご存知の方も多いかも知れません。実際に宮崎から注文されて、取りに来る方もいらっしゃるそうです。

蒸しかまどで作るので…

こちらの「若鶏の丸焼き」や、先ほどの「若鶏の骨付きモモ炭火焼」は先述の蒸しかまどを使って作ります。現在蒸しかまどは４機。ですので、炭を入れ替えたり、時間もかかるうえ、焼ける数も限られています。更に１週間前に仕入れの注文をしないといけない関係で、突然の多くの注文に対応するのが難しいそうです。という事で、分かりやすく店主さんのからのお願いを箇条書きにいたします。

• 骨付きモモは一度に焼けるのが30本程度。まとめて買われる方も多いので、あっという間になくなる日もあります。午前中に来ていただければご用意がある場合が多いです。
• 骨付きモモは毎朝焼いているので、朝早くに予約いただければ対応できる場合もあります。
• 骨付きモモは焼き上がりまでに1.5時間かかります。そこから粗熱を取るので、近いお時間で予約されても、直ぐのお渡しはできません。
• 仕入れの関係上、骨付きモモをご予約いただく際は５本以上だと有難いです。
• 若鶏の丸焼きは漬け込みに３日はかかるので、余裕を持ったご予約をお願いいたします。
• クリスマス等のイベント時は、特に上記の内容をご承知おきくださると幸いです。

「電話で確認していただいてから来店されるのが一番間違いないです！」とのことですので、週末などは特に先にお電話で数を相談されてから足を運ばれるのがよさそうです。

オリジナルの「蒸しかまど」での焼きは、炭火の調整が物凄く繊細で大変なのだそうです。以前メディアに出られた際の反響が大きかった時に、お客様にご迷惑をおかけすることとなった経験から、店主さんが先程のお願いを話してくださいました。お店を愛してくれるお客様を、しっかりと大切にする姿勢があるからこそ、今でも多くの方に親しまれているのでしょうね。ちなみに、若鶏の串焼きのまとめ買いや、若鶏の唐揚げを１kgで買われる方もいるなど、すべてのメニューにコアなファンがいらっしゃるそうです。つぎは絶対串焼きは食べたいな。いや、丸鶏もいいな…。ご馳走様でした！