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秋のひとり旅で滞在したい!「昭和レトロな温泉地」5選(西日本編)

高橋一喜温泉ライター/編集者

厳しい暑さが一段落し、いよいよ旅に出たくなるシーズンが始まる。これからは日本各地で順々に紅葉シーズンも迎える。忙しい日常や人間関係から離れて、ひとり温泉に癒やされる旅に出かけてみてはいかがだろうか。

秋のひとり旅におすすめしたいのが、昭和レトロな雰囲気が漂う温泉地。歴史を感じさせる温泉街は、どこか懐かしく、旅情を誘う。レトロな温泉地にゆっくり滞在して英気を養いたい。

そこで今回は、ひとり旅で滞在したい昭和レトロな温泉地を西日本に絞って5カ所紹介しよう。

有福温泉(島根県)

階段状のレトロな温泉街で、山陰の伊香保とも称される。旅館の廃業が相次ぎ、現在は数軒の宿が並ぶ静かな温泉地だが、御前湯、やよい湯、さつき湯の3つの共同浴場があるなど、源泉の質は山陰屈指。ひとりで温泉につかりながら静かな時間を過ごせる。なかでも、モダンな西洋建築風のレンガ造りの御前湯は、大正浪漫を感じさせる外観と浴場が魅力である。

温泉津温泉(島根県)

世界遺産の温泉。温泉津と書いて「ゆのつ」と読む。石見銀山の一角にあり、往時は積み出し港として賑わった港町の温泉だ。昔ながらの建物が並ぶ温泉街は、鄙びていて風情は満点。「元湯泉薬湯」と「薬師湯」の2軒の共同浴場はアツアツの湯で知られるが、もちろん源泉かけ流しで新鮮である。薬師湯は洋風建築だが、鄙びた街並みに溶けこんでいる。一人ゆっくりと湯の街情緒を感じたい人におすすめ。

日奈久温泉(熊本県)

昭和レトロな雰囲気が魅力の温泉街には、15軒ほどの旅館と2軒の共同浴場、日帰り専門の温泉もある。もともと湯治場の性格をもつ温泉地なので、華やかさはないが、静かで落ち着いた湯の街情緒を味わいたい人にはおすすめ。共同浴場「ばんぺい湯」のほか、気軽に入浴できる温泉も充実しているため、ひとり旅でも臆することはない。もともと湯治色の強い温泉地だけに、ひとりでも泊まれる宿はある。

鉄輪温泉(大分県)

別府温泉郷のひとつ。湯煙が立ち上る景観が美しく、昔ながらの湯治場の風情があふれている。別府地獄めぐりなどの人気スポットもあって観光客の多い温泉地ではあるが、もともと湯治場の色が濃いのでひとりでも街に溶け込みやすい。ひとり客も可の宿が多いのも魅力だ。鄙びた共同浴場を湯めぐりして過ごすも良し、温泉蒸気を利用した地獄蒸し料理に舌鼓を打つも良し、地獄めぐりで観光気分を味わうも良し…ひとりでもまったく飽きることのない温泉地である。

杖立温泉(熊本県)

杖立峡谷の両岸に宿がびっしりと並び、白い湯けむりがあちこちから立ち昇る。温泉情緒あふれる景観が魅力の温泉街である。坂道や階段が入り組んだ路地を散策するのも楽しい。春には川を横断するように鯉のぼりが泳ぐ。その景色は圧巻。大型旅館よりもアットホームな小規模旅館が多いので、一人でも気後れすることは少ない。

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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