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いよいよ東京・福岡でスギ花粉の本格飛散が目前!花粉の「400度の法則」とは:予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
今年2024年の飛散開始は早まりそう

すでにわずかながらも飛び始めているスギ花粉を感じて鼻がムズムズする人もいるかと思いますが、一連の寒波を終えて気温が上昇する今週、いよいよ各地で本格飛散が始まりそうです。

気象関係者が用いるある法則にもとづいて気温に注目すると、いつどこで飛散開始するのかを見通すことができます。
気象予報士が各都市の状況をまとめました。

「400度の法則」とは

スギ花粉の飛散は、1月1日からの日々の最高気温を足していって400度を超えたタイミングで始まると言われています。

これは科学的に編み出された計算式ではなく、経験則。
今やコンピュータで複雑な計算をすることも可能ですが、かつてそれが難しかった時代に、なんとかして花粉飛散のタイミングを知りたいという要望から生まれた知恵です。

大都市圏では東京と福岡がトップ

花粉対策は最初が肝心
花粉対策は最初が肝心

全国各地の大都市の気温に注目すると、東京と福岡が他の都市を一歩リードしています(嬉しいリードではありませんが…)。

東京では1月1日から29日までの最高気温の合計が337.5度に達し、気象庁発表の予想にもとづいてこの先の最高気温を足していくと、2月4日には400度を超えることになります。

福岡でもほぼ同様で、1月29日までの合計が337.2度、そして今後の予想最高気温を足すとやはり2月4日に飛散開始を迎える計算になります。

このほか名古屋・大阪・広島では、東京・福岡と比べまだ20度ほど合計が少ないものの、1~2日差で飛散が始まりそうです。

もちろん、これはあくまで経験則に基づいた目安であり、実際の飛散開始は花粉が一定以上の密度で観測されたときに発表されますが(関連記事)、いずれにしてもいつ本格飛散が始まってもおかしくないところまで来ているのは事実です。

今年2024年のスギ花粉の傾向は?

スギ花粉の飛散量は前年の夏の天候に大きく左右され、一般に夏の気温が高い方が飛散量は多くなります。
そして前年つまり2023年の夏を思い出すと、記録的な猛暑。
そのため今年の花粉の飛散量は例年を上回りそうだという予想を気象会社各社は出しています。

ちなみに2023年の春は花粉の飛散量が記録的に多かったのを覚えている人もいるかもしれませんが、さすがに2023年春よりは少なくなりそうで、まとめると「例年より多いが去年よりはマシ」という地域が多くなる見通しです。

花に関する「600度の法則」もある

まだまだ寒いけど、あと1か月半ほどで桜開花の時期
まだまだ寒いけど、あと1か月半ほどで桜開花の時期

この記事では花粉飛散に関する「400度の法則」について解説しましたが、天気予報などで「600度の法則」というのも聞いたことがある人もいるかもしれません。

「600度」も、実は花に関する法則。
こちらは2月1日以降の最高気温を足していって、600度を超える日にソメイヨシノが開花するという経験則です。
現在では気象会社各社はより複雑な計算式を使っているほか、実際にソメイヨシノの標本木を観察することでかつてよりも開花予想の精度を上げています。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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