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実は「気のせい」じゃなかった!花粉の飛散開始"前"に鼻がムズムズする理由を気象予報士が解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
スギの雄花

例年2月に入るか入らないかという時期になってくると、ニュースや天気予報などで「スギ花粉の飛散開始が発表されました」という報道を聞いて憂鬱になる人も多いのでは。
でも、飛散開始のニュースを聞く前なのに、何となく鼻がムズムズする…そんな経験はありませんか?実はそれ、気のせいじゃないのです。
そもそも「飛散開始」とはどういうことなのか?「飛散開始」より前に花粉を感じるのはなぜなのか??気象予報士が解説します。

「飛散開始」には明確な基準があった

いまや日本人の4割以上が罹患し(環境省調べ・2019年)、国民病とも呼ばれる花粉症。
その原因となっている花粉は現在、全国各地で定点観測されています。
そして、観測された花粉が1平方センチあたり1個以上ある状態が2日以上続けば、その時点で(おおむね都道府県ごとに)「飛散開始」と報道されるのです。

つまり逆に言えば、「飛散開始」より前から花粉は飛び始めているということ。
1平方センチあたり1個未満の密度で花粉が飛んでいたとしても「飛散開始」とはならないし、たとえ1平方センチあたり1個以上でも隔日で飛んでいればやはり「飛散開始」とならないので、もはや「飛散開始」と言われた時点で"もう結構しっかり飛んでいる"ということになります。

花粉が飛びやすい天気とは

これからの時期は花粉などで空が白っぽくなる「春霞」の日が増える
これからの時期は花粉などで空が白っぽくなる「春霞」の日が増える

雨の日よりは晴れの日の方が花粉が飛びやすそうだというのは想像できると思いますが、他にも花粉が飛びやすくなる気象条件があります。

▼風が強い
▼空気が乾燥している
▼気温が高い
▼雨や雪の翌日である

これらの条件のうち、当てはまるものが多ければ多いほど花粉は飛びやすくなります。

冬の間は風が強いのは日本海側中心、空気が乾燥するのは太平洋側中心だったのが、これからの時期は全国的に強風が吹きやすくなり空気も乾いてくるため条件が揃いやすく、いつも以上に天気予報を具体的に聞いておくのがよさそうです。

最初が肝心!今やっておきたいこと

前述のように花粉が飛びやすい気象条件というのはすでにわかっている上に、1日の中で言うと正午前後と日没前後に特に飛びやすいということもわかっています。

そのため、そういった日や時間帯を避けて外出するのがおすすめですが…、仕事や家事もある中ですぐに外出日時を調整するのも難しいところ。

花粉ピークの時期に後悔しないよう、今のうちにライフスタイルの調整を始めておくのがおすすめです。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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