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嵐の幕開け? 棋聖戦五番勝負は第1局から千日手成立! 藤井聡太棋聖-永瀬拓矢挑戦者

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 6月3日。兵庫県洲本市・ホテルニューアワジにおいて、第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局、藤井聡太棋聖(19歳)-永瀬拓矢挑戦者(29歳)戦がおこなわれています。棋譜は公式ページをご覧ください。

 第1局は藤井聡太棋聖先手で、相掛かりになりました。永瀬挑戦者の模様が少しいいのかとも見られていた中盤戦。藤井棋聖は角、永瀬挑戦者は飛車を自陣で上下させる手順が繰り返され、16時17分、66手で千日手が成立しました。

 将棋で同一局面が4回生じると「千日手」。公式戦では指し直しとなります。

 注目の五番勝負は第1局から波乱含みの進行となりました。

 藤井棋聖にとって千日手は通算9回目。タイトル戦では先日の叡王戦五番勝負第2局、出口若武六段戦に続いて2回目です。

「東の千日手王」と呼ばれる永瀬挑戦者。千日手はこれで43回目です。2016年の棋聖戦第1局では千日手の末、羽生善治棋聖(当時)に勝っています。

 30分の休憩のあと、改めて駒が初形に並べられ、16時47分、立会人の小林健二九段が声をかけます。

小林「開始時間となりました。千日手指し直し局となるため、先後を入れ替えて、永瀬挑戦者の先手番でお願いいたします」

 第1局指し直し局の持ち時間は永瀬1時間41分、藤井1時間0分で始まりました。永瀬挑戦者先手で、戦型は角換わりに進んでいます。

 藤井竜王への挑戦権を目指す竜王戦。本日おこなわれている3組決勝▲高見泰地七段-△菅井竜也八段戦でも千日手が成立していました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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