ダントツのシーズン防御率。「2位とほぼ1点差」の投手や「リーグで1人だけ防御率X点台」
昨シーズン、パ・リーグの防御率1位と2位は、0.5点以上の差があった。山本由伸(オリックス・バファローズ)の1.95に対し、有原航平(北海道日本ハムファイターズ)は2.46。ちなみに、セ・リーグのトップ2、大野雄大(中日ドラゴンズ)とクリス・ジョンソン(広島東洋カープ)はほとんど差がなく、2.58と2.59だった。
リーグ2位に0.5点以上の差をつけた投手は、昨シーズンの山本が延べ25人目だ。村山実、上原浩治、ダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)、前田健太(現ミネソタ・ツインズ)の4人は、2位との差が0.5点以上の最優秀防御率が、それぞれ2度ある。
なかでも、1970年の村山は、2位との差が1点近かった。その後(1971年以降)、最も差が大きかったのは、2013年の田中将大(現ニューヨーク・ヤンキース)だ。この年、田中と大差の2位に終わった金子千尋(金子弌大/現・北海道日本ハムファイターズ)は、翌年、2位に大差をつけてタイトルを獲得した。
また、2位に0.5点以上の差をつけた延べ25人中16人は、同時に「リーグで1人だけ防御率X点台」でもあった。「リーグで1人だけ防御率0点台」は1970年の村山のみだが、「リーグで1人だけ防御率1点台」は11人を数え――2013年の田中、2014年の金子、昨シーズンの山本もそうだ――「リーグで1人だけ防御率2点台」も4人いる。
2位との差を問わなければ、「リーグで1人だけ防御率X点台」はさらに増える。延べ42人だ。内訳は、防御率0点台が2人、1点台が28人、2点台は12人。1970年の村山以外に「リーグで1人だけ防御率0点台」は、1936年秋に防御率0.79を記録した景浦将だ。2位の沢村栄治は防御率1.05。もっとも、景浦は57.0イニングだが、沢村はその倍以上の120.1イニングを投げた。
一方、現時点では最後の「リーグで1人だけ防御率2点台」は、2年前の岸孝之(東北楽天ゴールデンイーグルス)だ。2018年にパ・リーグで規定投球回をクリアした9投手中、防御率2.72の岸を除く8人は、いずれも3点台だった。
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